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2017年11月20日00:14

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最近読んだオーディオ本ら

最近読破したオーディオ本の雑感を記して、皆様の参考になれば幸いです。

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自分もプロジャズ、アマチュアオーケストラらDAT、メモリーで録音したものが100本以上あります。

しかし、基本に立ち返っても知らなかった録音技法、編集技法らとても勉強になりました。

たとえば、このアコースティックギターの録音は弦の種別や弾き方でマイク位置を微妙にずらす技法。
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スネアドラムへのマイクは角度次第でいかようにも音色を変えることが出来るので、編集で電気的な音弄りに頼ってはいけないこと。
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ボーカルは何十と録音した中から一言、一語の一番いいテイクを繋ぎ合わせて完成度を上げることなど。


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最後にどんでん返しが出てくるわけですが、音楽室を建造している立場からはここから読んだのは言うまでもありません(^_^;)。
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機器よりアクセサリーとの悪戦苦闘が多いので、オーディオアクセサリーにご興味あれば・・・ただかなり偏った選び方には見えました。

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世の中の疑似アースオーディオアクセサリーを紹介しているオーディオ本や雑誌があります。

これとオーディオデザイン大藤武著「ケーブルを変える前に知りたい50のオーディオテクニック」を読めば、オカルトオーディオを避けられたり、アース接続法を正しく学べます。
また疑似アースを間違って使うことはなくなると思いました。

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ハイエンドオーディオのみならず、輸入オーディオは一切出てきません。
昭和のラジカセからミニコンポ、システムコンポの一部を紹介する本です。
懐かしく読みました。
今一部でラジカセ収集ブームが起こっている理由もよくわかりました。

以下はオーディオ本そのものではありませんが、オーディオにもとても役だった本です。
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元ケンウッドの社長さんが著作された最近の本です。
これまで読んだバイオリン本のどれよりも正確な内容でわかりやすかったです。

長野県立深志高校、東大法科とのことで親近感も増しました。
東大出版部からとある教授の講義録を執筆して出版したことも思い出しながら、著者の文章力にも感服。

この本のバイオリンという用語を「オーディオ機器」という用語に置き換えて読んでも通用するほどのもので、さすがはオーディオにも精通している方だなあと。


バイオリンの音色の8割は弾き手次第で決まり、楽器要素は2割という言葉はオーディオそのものに当て嵌まると頷きながら読みました。


「8割が引き手で決まる」と書かれている他に、奏者は楽器の限界を超えて演奏することは出来ない。
ストラディヴァリウスらは限界が見えないとの表記も追記します。

諏訪内晶子さんのストラディヴァリウス・ドルフィンと出会った場面には震えが。
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ヤッシャ·ハイフェッツがストラディバリウス·ドルフィンと、グァルネリ·デル·ジェスの使い分けが真ん中あたりにあります。
これで両名器の性質の違いが明らかです。
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最後に慶応大理工学部卒、パナソニック執行役員で、テクニクス再興の立役者、プロピアニストでもある方の自伝です。
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テクニクス総帥 小川理子さん開発 ツインロードホーンスピーカーは管楽器を分析して思いついたもので20代前半で開発を任されたものだそう。
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こちらのパネル型平面スピーカーは、小川理子さんが20代で音質仕上げを任された大型薄型平面スピーカー。
ブラウン管テレビ時代にフラットテレビ時代を予測して、薄型でも朗々と低音が鳴るスピーカーと。ウィーンのオペラ座に採用。写真はその小川さん本人。
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優秀な人は早くから大会社でも大きな仕事が舞い込むのですね。
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松下電器執行役員ともなれる逸材は20代にして東京汐留に壁面がすべてスピーカーのホール建造の陣頭指揮までされたそう。

これを聞きつけた世界の音楽家が次々と来日。あのデビット·バーンの実験音楽の発表らに使われたという。

大阪曽根崎のジャズライブハウスでソロピアノライヴを敢行する小川理子さん。 
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アメリカでも絶賛でスタンディングオベーションを浴び、イギリスでは年間ジャズベストアルバムとされたとあるので、素人の延長や地位を利用とかではまったくなさそうと彼女のCDを入手して聴いてみました。
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デキシージャズからさらに遡ったラグタイムまできちんと勉強されて表現に使われています。
ストライド奏法を多用されて高速演奏まで披露されていましていい演奏です。

良い演奏と感じたのは、BABY MATALが欧州で賞を取ったことを聞かれたピーター・バラカンさんが「音楽以外のことのコメントを私に求められても困る」とネット炎上した事件を思い出しました。

バラカンさんが日頃から主張するバックボーンのない音楽は音楽ではないという部分からは彼女はジャズの歴史をきちんとマスターして血肉になっていることが演奏からはっきり感じられたからです。

ジャズソロピアノ演奏の難しさはプロピアノといえどもなかなかソロピアノアルバムが出せないことからも。久しぶりに自信に溢れたエネルギッシュでマルチな女性に再会したよう。

ダイナミックオーディオマラソン試聴会でのテクニクスコーナーで小川理子さんの話しをしたら、海外出張ら激務なのに、帰宅したら必ずピアノ練習は欠かさないこと、あまり寝ていないのではないかと。
休日があれば朝から晩までピアノに向かっているそうです。

そうして彼女の陣頭指揮のもとテクニクス再興です。
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かつてと違うのは、音を自社のみならず、軽音楽方面はアビーロードスタジオに。クラシック方面はベルリンフィルのネット配信スタッフとこまめに意見交換していることのようでいいですね。

女性が使いたくなる値段とサイズのオーディオ開発の話しはさすがに力が入っていました。

高校時代の初恋の同級生と再会して46歳で結婚した下りは乙女の部分も感じました。
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