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2017年11月17日16:45

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エルフについて 〜『クイーンズブレイド』戦闘教官アレインとルーン〜

小生は、エルフが好きである。
余り公云したくは無いのだが、大好きである。

ここで云うエルフとは勿論、現代日本版エルフだ。
森の妖精で魔法使い、ロング・ヘア、小柄で細身な身体、色白の美形、細い釣り目、長く尖った耳。

このステレオ・タイプなエルフ像は、今日でも大変な人気を博している。

だが、このエルフ像は、かの有名な『ロードス島戦記』で出渕裕が描いたイラスト(ディードリット)が確立したものだ。
『ロードス』人気は、=“ディード人気”と云っても過云では無いだろう。

だから小生は、エルフ好きを公云したく無いのである。

このディードリットというエルフ、そして『ロードス島戦記』は、どのように誕生したか。
御存知のマイミクさんも多いと思われるが、実は『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』というゲームのオリジナル・シナリオだったのである。

そう、“<strong><u>別のゲームのシナリオ</u></strong>”だったのだ。

ゲーム雑誌の草分けの1つ「コンプティーク」の86年9月号に、「『D&D』誌上ライブ・『ロードス島戦記』リプレイ(プレイ内容実況)」第1回が掲載された。
フォト
この時点で既に、ディードリットのデザインは完成している。

そして、『ロードス』のベースとなった『D&D』こそは、世界初の(T)RPG(テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム=プレイヤーが役割を演じるゲーム)なのである。

更に、『D&D』はトールキンの小説『指輪物語』(若い人には映画化タイトル『ロード・オブ・ザ・リング』の方が馴染みか)をベースにしてたりする。

『指輪物語』が画期的だったのは、神話や民話を模倣し叙事詩スタイルが主だった古典ファンタジーと異なり、異世界のディテールを<u>“写実的”</u>に表現し、登場人物も活きいきとキャラクター性豊かに描き、一般の大衆小説と同様に読者が感情移入出来た点にある。

この緻密な異世界描写は、RPG(『D&D』)成立に大きく影響した。
まるで実在するかの様な世界、感情豊かなキャラクター。
正にRPGに打って付けの内容だ。
RPGの原点はファンタジー(『指輪』)であり、そしてRPG的ファンタジーがテンプレート化して、今の日本に強く根付いてしまったのである。

今日、履いて捨てる程蔓延っているファンタジー作品が、どれも同じ様な中世的世界観なのは、『指輪』→『D&D』→『ロードス』で築かれたテンプレを模倣しており、最早シェアード・ワールドとなっている為だ。
寧ろ、この“指輪系テンプレ”でないと若い読者からファンタジーと認識されない、とすら云える。

このような経緯を知るから、一創作者の端くれとしては、テンプレ系ファンタジーを踏襲したくないワケだ。
確かにエルフ、特に初期のディードのイラストは好きだが、絶対にエルフを自分の作品では使わないと決めている。

日本オリジナル・ハイ・ファンタジーの金字塔に、富野由悠季の『聖戦士ダンバイン』がある(83年2月放映)。
氏も、指輪系テンプレを嫌って、バイストン・ウェルという独自の異世界を構築した。
宮崎駿も同様である。

『ロードス』以前にこれ程のハイ・ファンタジーを創造した『ダンバイン』はぶっちゃけ不振に終わった。
当時はハイ・ファンタジーというのがまだ受け入れられ難かった…というのは半分正解で、実際には『ロードス』が角川の戦略でヒットしたのだが…これについてはまた別の話なので省く。

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ところで、ディードに代表される現代日本エルフだが、本当に『ロードス』のイラストが嚆矢だったのか?

バンダイで定期刊行されていたホビー誌「B-CLUB」に於いて、87〜88年にかけて『ダンバイン』の企画モノ『AURA FHATASM』が連載された。
『ダンバイン』にデザイナーとして参加していた出渕裕の、イラスト連載である。
その連載で、『夢見る海の星(スティラ・マリス)』という絵物語が描かれているのだが…。
フォト
<strong>ここに登場するスティラ・マリスが、ディードとクリソツ(死語w)なのである!
</strong>
『夢見る海の星』の初出は24号、87年9月だった筈(未確認)。

時系列としては86年の『ロードス』リプレイが先だが…。
出渕裕のファンタジー系デザインは、『ダンバイン』が先になる。
氏の中でのエルフ的なヴィジュアル・デザインがどの様に形成されていったのかは計り知れないが、『ロードス』より先に『ダンバイン』が氏のファンタジー系デザインの礎となった事は確かだ。
また、同「B-CLUB」で連載していた『美少女図鑑』や特撮キャラ、大ファンであった原田知世のイラストを見た限り、出渕裕の美少女は最初からディード(エルフ)っぽかった様に思う。

つまり、現代日本エルフの原形は<strong><u>ディードリットだけで無く、スティラ・マリスも挙げられるべきだ</u></strong>と小生個人は考える。
「どちらも出渕の仕事じゃん」と云われればその通りだが、スティラがアンチ・指輪系を指向した『ダンバイン』、バイストン・ウェル系から生まれたという事実は何とも興味深い。

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さて、現代日本エルフは大人気と書いたが、いざ探してみると、意外に立体物・フィギュアが乏しい事に気付いた。
エルフや妖精系のフィギュアは確かにあるが、“現代日本エルフ”っぽいのは無いのだ。
<strong>今の技術でディードをフィギュア化したら、バカ売れしそうに思うが…。</strong>

そしたら、最近になって発見した。
『クイーンズブレイド』という美少女ゲームブック・シリーズに、「戦闘教官アレイン」というキャラがいて、これが紛う方無き現代日本エルフだったのだ!
商品名が「戦闘教官アレイン」なので、「エルフ」で検索しても出て来なかったのである。
で、そのフィギュアを見てみると…おお、これぞ正に<del>ディード</del>現代日本エルフじゃな仂w
大変気に入ってしまった。
フォト
7体程ある様だが、特にオーキッドシード版(画像)等は大変素晴らしい。
一気にこのキャラの大ファンになってしまった…が、原作やアニメは未見。
どういうキャラなのかは全然知らないし、知る気も無いw
気に入ったのは外見だけだから(^^;

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話を戻すと、小生は創作では、ハンコの様な指輪系テンプレ・ファンタジーを描く気は毛頭無い。
<strong>どう云い繕うと、出渕、延いてはトールキンのパクリになるからだ。</strong>
エルフは好きだが、絶対出さない。

その代わりに、考案したのが<strong>「Alv」</strong>という種族である。
まァエルフみたいなモンだけど、断じてエルフでは無い。
耳も尖っていない。

フォト
小生の創作キャラである<strong>ルーン</strong>(S.L.T.A-C'T)は、Alvである(エリスは人間)。

まァSNSではおもねって、タグに“エルフ”と入れたりしてるんだけどもw
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