■山行概要
◆【八ヶ岳】
赤岳(2899m) ※途中撤退のため未登頂
◆2017/11/3(金)〜2017/11/5(日)、快晴⇒曇り⇒吹雪⇒霙⇒雨⇒霧
気温5℃〜2℃、風速5m/s〜7m/s、全備重量17.0kg
◆日程は夜行前泊含む2泊3日だが、山自体は山小屋泊の1泊2日
(途中撤退のため実際の山行は美濃戸口⇔赤岳鉱泉の日帰り)
所要時間8:25(コースタイム5:40)累積標高差約730m、歩行距離約14.8km)
◆6:30/美濃戸口(標高1490m)着⇒6:55/出発、登山開始⇒7:50/美濃戸(標高
1720m)、体調不良につきここで8:40まで中休止⇒北沢ルートへ⇒9:30/堰堤広場
(ここで9:35まで小休止)⇒10:45/赤岳鉱泉(標高2220m)、体調不良につきここで
12:05まで大休止の後、下山開始⇒13:15/堰堤広場(ここで13:35までレインウェア
調整で中休止)⇒14:15/美濃戸(標高1720m)、ここで14:25まで小休止⇒15:20/美
濃戸口(標高1490m)へ帰還
八ヶ岳の赤岳に行こうとしたんですが、体調不良で赤岳鉱泉で撤退しました。以上です。
ってわけにはいかないので、もう少し詳しく書きますよ。
八ヶ岳はねえ、行こうとしていっつも行けなくて、今年も7月の3連休で予定していたのですが、雨で中止に。行こうと思ってから足掛け三年でしょうか？ようやく山行が実現しました。当初はだーたかさん・HGさんの3人パーティーの予定だったのですが、直前でだーたかさんがまさかのキャンセルに。ここはまあ、OG原さんが来るでしょ、と思っていたら、OG原さんはまさかのばるきど登山部の方の企画で瑞牆山ベースキャンプ登山に行くとのこと。
'17.11.03-05 瑞牆山登山とキャンプ＠みずがき山自然公園キャンプ場 前編
http://ilovewhisky.naturum.ne.jp/e3003191.html
'17.11.03-05 瑞牆山登山とキャンプ＠みずがき山自然公園キャンプ場 中編
http://ilovewhisky.naturum.ne.jp/e3003568.html
↑コレ
チームOHNOの皆さんも別の山行があるとかで、今回もHGさんと2人パーティーです。というのも今回、茅野のビジホで前泊してから美濃戸口に入る予定で、且つ、赤岳頂上山荘も個室を取っていたのです。個室は4人部屋なんですが、さすがに割り増し料金払って二人で個室ってのもアレなんで、直前でホテル1部屋と山小屋の個室をキャンセルしました。
出発は金曜日。南武線の途中でHG号に拾ってもらい、一路茅野へ。実はこの日、朝から喉が痛くて鼻水が止まらなかったんですね。まあ風邪気味？かな？熱も無いし、早寝すれば大丈夫だろ、と予定通り出発。電車に乗ってから色々と薬を入れているピルケースを置いてきてしまったことに気づく。普段ならまあ、あれば良いけど無くても困らないアイテムなのですが今回、風邪気味ってこともあって結果的にこれは失敗だった。
渋滞もなく茅野には20時前後に到着。そそくさとチェックインして、夕食を兼ねて駅前の居酒屋に。鼻水がどんどんひどくなる。くそー、鼻炎カプセルがあれば・・・！サクッと飲んで食って、コンビニで翌朝の朝食を買い出したらホテルに戻る。大浴場があるのでお風呂でよくあったまり、マスクをして22時には就寝。翌朝は4時に起床。再度お風呂に入って朝食、支度をして6時前にはチェックアウト。一路登山口の美濃戸口を目指します。体調は・・・良くなるどころか悪化してきた。鼻と喉はともかく、何か全身の節々が痛くてだるい感じがする。熱はまだない。内服薬は一式、ファーストエイドキットに入れてあるのだが、どれも強力なものばかりなので登山開始前に迂闊に服用すると眠気で動けなくなってしまう。こんな時に重宝するのが普段用のピルケースなのだが、今回それが無いのがかなり痛い。鼻水だけでも止めたいのだがなあ。
美濃戸口には30分程度で到着。これからどうするか、HGさんと相談。体調悪いのなら、距離を短縮して南沢ルートを行くべきなのだが、これだと赤岳鉱泉は通らずに行者小屋に出てしまう。そうすると選択肢が行くか撤退するかの二択となってしまい、少し厳しい。赤岳鉱泉に出ればここで停滞して宿泊するプラン、赤岳を止めて行先を硫黄岳に変更するプランなど、選択肢が多い。取り合えず今日は北沢ルートで赤岳鉱泉までは行ってみて、そこで判断しよう、ということになった。
歩き始めるが出だしからもうキツイ。正確には荷物が重い。今回の全備重量は17kg丁度だが、いつもは全く感じない重さがなぜかとても重く感じる。これは・・・うーん、大丈夫だろうか。最初のマイルストーン、美濃戸には標準コースタイムのマイナス5分で到着。ここも駐車スペースがかなりあるのだが、行ってダメだと再度戻って歩き直しになってしまうので、あえて美濃戸口に駐車して歩いてきたが結果的には美濃戸まで車でも入っても問題なかった。これは悔しい！
歩いている時は何も感じなかったが、立ち止まるとかなり寒い。寒さを感じると同時になんだか具合が悪くなってきた。「やまのこ村」でトイレを借りたりして、何だかんだ1時間近くも休んでしまった。出だしでこれじゃあ、今日はやっぱ無理かなあ？と思いつつ、行動を再開。先行していたHGさんには堰堤広場で合流。この時点で当初の予定より30分遅れ。体調は芳しくない。止まると寒い。撤退するにしても、一度暖かい場所でまとまった休憩を取らないと、行動不能になってしまう可能性がある。HGさんの後を付いて赤岳鉱泉を目指す。HGさん曰く
「この速さが自分が息切れしない速度ですよ」
その後ろに付いていっているのに、息がハアハアする。これはアカン！運動して暑いのか発熱してて暑いのか。外が寒いのか自分が寒気がしているのか。何だかよくわからなくなってきた。とにかく鉱泉に着いたら座って休もう。間違いなく発熱している。今日は上に上がるのは無理だ。この時点で赤岳鉱泉からの撤退の意志が固まる。気温はどんどん下がってきている。標高を上げているから当然か。風が微風なのがまだ救いだが、この気温で稜線に出て強風だとヤバイかも知れんね。
HGさんの後をヨタヨタと付いて行くと、木々の切れ目の向こうに櫓が見えた。アイスキャンディーの骨組みだ。水は流されているが、着氷はまだ。櫓の向こうに小屋が見える。赤岳鉱泉に到着した。さて考えないといけない。取り合えず赤岳登頂は却下、これは確実。では行先を変えて硫黄岳に向かうか？いや、ダメだろ。体調はどんどん悪化してきている。これ以上身体に負荷をかけるのは避けねば。では本日、このまま赤岳鉱泉に逗留するという選択肢は？ここには風呂もあるぞ。でも明日、さらに体調が悪化して自力下山できなくなる可能性は？色々検討した結果、下山の余力を十分残した状態で撤退するのがベスト、との結論に至った。
下山前にここで昼食を、と思いきや全く食欲が無い。鼻水で大量の水分を失っているのに、喉が渇かない。これはよろしくない。やはりこのまま下山して帰るしかねえ。明日まで粘っても恐らく良いことはないだろう。とにかく何か補給しなくては。水分補給も兼ねてお湯を沸かしてコーンクリームスープを飲む。少しでもザック重量を軽くするため、持参したつまみ類を食べる。水分補給のため更にコーヒーを追加で飲む。だいぶ体が温まってきた。かれこれ1時間以上滞在してしまった。12時を回ったので下山を開始する。
しばらく歩くと、霧が雨に変わった。と思ったら霙になった。赤岳鉱泉での気温は2℃。風速を加味すると体感温度はマイナス5℃くらいだろうか？猛烈に寒い。寒さ対策はしてきたが、全然不十分。この天気、この気温、雪山装備でないと無理だろう。標高を下げると霙は再び雨に変わる。途中、何度かウェアリング調整のために小休止を取る。雨は止む気配はなく、結局レインウェアを上下とも着込み、ザックカバーも装着することに。朝は晴天予報だったのに、何でいっつもこうなるんだろ？往きと同様、堰堤広場でHGさんと合流。雨の降りしきる樹林帯の登山道を二人、無言で下り続ける。時間的に追い越す人もすれ違う人もいない。2ヶ月前の北穂山行の下山、雨の涸沢⇒横尾区間を思い出した。
15時半前、途中で行動不能に陥ることも無く、何とか美濃戸口に帰還。赤岳鉱泉のピストンだけで所要8時間半もかかってしまった。小屋の人の話だと、霙が降っていた時間帯、赤岳山頂は吹雪だったそうだ。結果的には撤退して正解だったのかも知れない。もし体調が万全であのまま上に進んだとしても、この天気、この気温では今回の装備だと相当厳しかったのでは、と予測される。また、この途中撤退もHGさんと二人だったからこそ取れた選択肢であり、他にメンバーがいたら自分だけ別行動となり更に厳しかったかも知れない。
山を始めて今回は95回目の山行だが、自分主体の理由で途中撤退したのは今回が初めてである。以前一度、雨の富士山で撤退したことがあるが、あれは子連れだったので。
山登りはじめました＃107「富士山に行ってきた3rd」
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1931085599&owner_id=5956264
↑コレ
HGさんには本当に申し訳ないことをした。手配は全部やってもらって往復の運転も一人でしてもらって、帰路は中央道が大渋滞。車と言う密室に二人で長時間いたせいで、HGさんにも風邪を移してしまった。ほんとスンマセン！でもまあ、とにかく無理をしないで途中撤退したのは正解でしたよ。山は逃げないしね、また来年チャレンジします！
■装備関連
��Lowa/TICAM �� GT
靴です、登山靴。詳しくは別の日記で考察を書こうと思ってますが、平たく言うと今履いているキャラバンのGK-68/06Mがサイズが合わないのです。連泊山行の時はもう、爪が痛くなってしまい、色々思うところがありまして購入に踏み切りました。買い換えたというよりは用途に合わせた装備の追加、といった感じです。ハイキング・トレッキング・アルパインで3種類の靴を履き分けます。そもそも、たった一つの靴であらゆる山行形態をカバーしようとするのが間違っておりました。
��mont-bell/サイクライムジャケット
俗にいう「ソフトシェル」というやつです。晩秋くらいからの山行って結構、着るものが悩ましい。風だけならアウターにレインウェアで何とかなるけど、保温性能は全くないし、ミドルでフリースとか持ってくと脱いだ時に荷物になるし。適度な防風性と保温性、撥水はするけど防水でないから通気はする、というソフトシェルジャケットは以前からずっと興味があったのです。中でもこちらの「サイクライムジャケット」は背中が脇と同じ素材で風通しがよく、ザックを背負った状態でもかなりスースーするのですよ。保温性能はあまり重視していなかったので、ロッシュジャケットと散々迷った結果、サイクライムジャケットを購入しました。今回が山での初使用となりましたが、予想以上の快適さです。防風性も保温性も「そこそこ」というのが非常に素晴らしい。これからも様々なシーンで活躍しそうです。ただ背中はスースーなので、荷物背負ってないと寒いですね。
■写真解説
�‥爐辰討泙后Ａ�柱ではなく、川の水が溢れた登山道は氷が張ってました。
�▲▲ぅ好�ャンディーのフレーム。水が絶えず上から滴り落ちていいて、被せたネットを骨組みにして、人工の氷柱が作られるわけですね。登れるようになるのは年明け以降みたい。ここのアイスキャンディーは基本未経験者お断り(ギアのレンタルはあるけど、冬靴のレンタルはやってない)。でもよく考えたら、ここまで厳冬期に歩いてくるわけだから、その時点で装備持ってない人はすでに来れない、ってことですもんね。
�１�です。朝は快晴の予報だったのに、何でこーなるのか。ちなみに下山開始して即降り出したのですが、赤岳鉱泉近辺は雨ではなく霙でした。同時刻、赤岳山頂は吹雪だったそうです。気温は2℃でしたが、風速を加味すると体感温度は多分マイナス5℃くらい。マジで寒かった。
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