■山行概要
◆【富士山】
富士山(3776)
◆2013/8/14(木)大雨
◆悪天候(大雨)のため本六合目(標高2700m)で撤退
◆9:45/駐車場着(マイカー規制のためここからシャトルバス)⇒10:30のバスに乗車
⇒11:00/須走五合目登山口(標高2000m)着(ここで1時間ほど標高に体慣らしを兼
ねて昼食)⇒11:40/登山開始⇒13:30/六合目(標高2400m)着⇒ 14:45/本六合目
(標高2700m)着⇒15:15/撤退を決定、下山開始⇒17:10/須走五合目登山口(標高
2000m)へ無事帰還
一昨年・昨年に引き続き、3年連続で富士登山に行って来ました。日程は昨年と同じお盆休み。須走ルートで一泊、下山して近場の温泉でもう一泊、という行程。まあ、過去の日記で何度か書いてますが、理由は娘(小4/10歳)が行きたい、と言い出したためです。
ちなみに昨年度の様子は↓こんな感じ。
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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1909738280&owner_id=5956264
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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1909739213&owner_id=5956264
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http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1909740183&owner_id=5956264
本当は昨年一緒に行ってくれれば、今後富士山に行くことは無かったのに。昨年は超絶悪天候だった一昨年と打って変わっての晴天。お鉢巡りもして剣ヶ峰にも到達、御来光も影富士も見てもはや得るものはないだろう、と。昨年登頂を果たした友達はやっぱり学校ではヒーローなわけですよ、富士山登ったぜ！って。まあわかりやすいですよね、小学生で富士山サミッターは確かに勲章ですもん。
で、「あたしも行く！」と言い出したのが昨年の夏。そこから来年、要は今年の夏に向けてトレーニング開始。まずは富士山を見て見よう、と宝永山に。その後日本百名山の一つ、四阿山へ。長距離を歩く練習でユーシン渓谷なども。秋の大山(丹沢)を皮切りに父・娘の二人山行で本格的なトレーニングを開始。高尾・景信の縦走、高水三山縦走を経て5月GWに雲取山に。鴨沢ルートのピストンですが、片道15km・累積標高差1700mの行程を走破。小屋泊体験も済まし、万全の体制で今回の富士登山に臨みました。体力的には問題はないので、高山病以外の理由でのリタイアは想定してませんでした。
とにかくもう富士山には登りたくない。あれは見て楽しむ山。単調な景色・単調な登山道。登ったら降りるだけ。九十九折の急登をひたすらドンキーコングのように歩く。そう、歩くだけで登頂できる。ルートファインディグのスキルはともかく、ナビゲーションのスキルやクライミングのテクニックなど、「登山」に必要な技術は何一つ必要ない。必要なのは体力と単調な作業を延々と繰り返してもヘコタレナイ強靭な精神力だけ。今回で39回目の山行となるが、富士登山の「つまらなさ」加減は群を抜いており、精神的辛さと相まって山行予定が決まっても全く楽しみでない。これをまた来年、など、とんでもない話でとにかく今回の山行を最後にしたかった。なので計画的なトレーニングをこなして成功確立を高めてきたわけなんですね。
で、登山当日。雨ですよ、雨。ちなみにメンバーは昨年のパーティーに+うちの子供という3家族8人編成。前日に体調不良の子供が1名出たので、最終7名様のご一行。7名中リーダーは今回で4回目、自分含む3名が3回目、2名が2回目、うちの子供だけが初めてという。要はみんな付き合いで山行に参加してくれたんですね。尤も富士登山を楽しみにしている人は皆無で、みんな下山してからの温泉一泊が目的だったわけですが。
横浜を出発する時は曇りだったんですが、御殿場インターを降りたあたりからパラパラと降り出し、須走りの駐車場についた時にはもうザーザー降り。屋外の駐車場なのでドライエリアは皆無。四阿のような場所があったので傘をさして車から荷物を移動。レインギアフル装備でバスに乗り込み五合目に向かう。なお駐車場はいっぱいでしたがどうやら先客の方々の様子。バスは空席多数のまま出発しました。
11時ちょうどに五合目に到着。雨脚は更に強く、ガスで何も見えない。とりあえず雨を凌ぐため小屋の外のテーブル席を陣取る。この調子じゃ上で食事は無理と判断。高地順応を兼ねて五合目でお昼を食べて行くことに。屋根はあっても雨漏りがひどく、全員レインウェアのフードをかぶったままのお昼ご飯。スマホが繋がるうちに雨雲の様子をチェック。今段階では後3時間くらいで雲が抜けるとの予報。念のため本日宿泊予定の見晴館(本七合目/標高3200m)にも電話で確認を入れる。雨は降っているが風はないとのこと。どうやら3000mまで上がれば雲を抜けるようだ。
小屋まで雨を我慢すれば後は大丈夫、との判断にて11:40、例年より1時間以上の時間押しで登山開始。レインウェアを上下着込んでいるため猛烈に暑い。いくらゴアテックスでもこれは無理。結露した汗が服に染み込みどんどん濡れてくる。須走りルートは出だしは樹林帯の中だが、全く雨よけにならなくてフードは被りっぱなし。フード内の湯気でサングラスが曇ってしまうレベル。これはたまらんよ。サウナスーツかよ！
そんなこんなでやっとこさ六合目に到着。雨はもう土砂降り状態。富士山はその強風の特性上、山小屋に四阿的な屋根のあるスペースが全くないのだ。すなわち、今回のような天候だとドライエリアが全くない。ザックはカバーをしていても、降ろすと背面部分からどんどん浸水してくる。行動食の出し入れとか、細かい開け閉めの積み重ねでみるみる水が入ってくる。グローブも同じ。脱着の度に手が濡れるので、そのうちグローブも浸水してくるのだ。これにはホント参った。どんな優秀なレインウェアで身を固めても、ドライエリアがどこにもないのでは話にならない。つまりドライキープするためには荷物も降ろさず何も食べず休憩もせず。辛うじてハイドレーションで水分補給だけ、ということになる。今回のメンバーは大人は全員登頂経験者だし、うち4名は一昨年の超絶悪天候を経験しているのでこの条件でも問題ない。実際富士山の標高差1200mなら、水だけで休憩無しでも何とかなる。が、子供はそうはいかない。こまめにエネルギー補給をしなくてはならない。
7月の燕岳山行も出だしから雨だったが、途中の合戦小屋は屋根のある休憩所があるのでそこでちゃんと荷物を降ろして休憩が出来た。濡れた部分を濡れたままにしないようにするための時間が作れたわけだが、富士山にはそれがない。ちなみに富士山の小屋は休憩30分＠500円。既に満室でどこも入れず、軒下にも入れてもらえない。ホントあれだ、富士山の山小屋って海の家の山バージョンなんよね。そのエリアの山に熟達した山の人が経営するアルプスの山小屋とかとはわけが違う。こういうのもあって富士山には行きたくないのだよ。
14:45、標高2700mの本六合目に到着。気温は18度まで下がっている。全身が濡れているため、立ち止まると途端に寒くなる。そろそろ判断しなくてはならない。現在の時刻とここまでの所要時間、下山する体力の残りを考えると、ここが引き返しポイント。七合目まで上がったら後は本七合目の宿泊予定の小屋を目指す以外選択肢はない。電波の入る場所を探して雨雲の動きをチェック。すると何と！そうとう動きが停滞しているじゃないか。スタートの予報ではもう雲が抜けているはず。ところが最新情報では6時間後、とある。つまり小屋に着くまで雨が止むことはないってこと。そして3000mを超えれば雲を抜ける、って情報。標高2700mから見上げる空は厚いガスに覆われていて、晴れ間の一つもない。うっすらと見え隠れする七合目のその上もガスだ。おそらく本七合目も同様だろう。このまま無理して小屋に着いたとして、明日もこんな天気なら登っても仕方ないのでは？当初は明日は晴れるから、の予測で登山をスタートしたが、この様子じゃ確実に明日も雨だわ。見晴館にキャンセルの電話を入れる。見晴館から上も相当な雨とのことだ。下山については見晴館のスタッフより特別にブル道を使ってよいとの許可を得る。
ここでメンバー全員の意向を図る。別行動を前提としているので車は家族ごと。他のメンバーは登山継続しても全く問題ないのだが、元々付き合いでの参加でさっさと温泉に行きたいわけであっさり合意が取れる。そもそもうちの子供が既に心が折れてるので、これ以上の継続は無理なのですよ。例え頑張って登っても、景色は全く見えないし、そもそも出だしから富士山のシルエットすら見えていない状況。土砂降りの中をサウナスーツ着て蒸れ蒸れ通り越して結露でびっしょりになって、今度は冷えてきて休憩もままらず、ただの苦行状態。これでこれ以上頑張れとは言えない。子供のコンディション判断は、何度も二人でトレーニング登山をしてきた父親である自分の役目なのだ。
ってことで15時過ぎ、来た道を引き返し下山開始。本六合目を少し下った所に「立ち入り禁止」の札が立ってる分岐がある。ブル道(ブルドーザー道)だ。今回は特別に山小屋から許可をもらっているので、このブル道を使って下山ルートに合流する。雨で水を吸っているため、砂走りが猛烈に重たい。まあ砂埃がたたなくてよいのだが。途中、砂払い五合目で小休止を挟み、17時過ぎに五合目登山口まで無事下山。人はまばらで閑散としている。こんなの初めてみたよ。時間がないのでそのままバスに乗り込み、駐車場に戻る。これまた雨の中の撤収作業。朝と同じ四阿の屋根の下でようやっとレインウェアから開放。
本当は近辺で一泊して明日の宿泊地に移動したかったのだが、この時間だともうどこの宿も取れず、明日また出直すのもアレなので翌日の宿もキャンセルすることに。道の駅「すばしり」でようやくまともに食事を取り、一路車で横浜に帰還。途中銭湯に寄り汗を流し、日付が変わった頃帰宅。翌日は水没した装備類のメンテナンスと衣類の洗濯で始終。夜、再度メンバー集合にて反省会。天気の経過を見ると、撤退したのは正解だった、と皆で納得して終了。
なんだかなあ、なお盆休みでした。まあ山は逃げないのでまたの機会に。とはよく言うけど、ホントもう富士山には行きたくないのだよ。時間と金の無駄。他の山に行きてえ。
さて、次回は9月後半の飛び石連休。人生最大の冒険、槍ヶ岳山行です。
■写真解説
�”弦�2700mの本六合目、瀬戸館前にて。撤退が決定し、家族全員ｼｮﾎﾞｰﾝの図。もうね、カメラのレンズに水滴がついてこんな写真しか取れないの。
�▲�スでまっ白けのブル道。何も見えましぇーん。
�２嫉海靴燭藜�がいましたお。バンビちゃん。人間慣れしてるのか、近寄っても全然逃げない。まあどうでもいんですがね。
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