CRISPR（遺伝子編集）の衝撃

　CRISPR
　文芸春秋社から出ている本です。
衝撃的でした。

　ウイルスの生存能力の究明から、容易な遺伝子編集方法を発見した著者の一般向け著書です。
　農産物などで遺伝子組み換えが問題にされいますが、この手法を応用すれば動物の遺伝子を編集するのも容易になる。人間の遺伝子でも編集できる段階です。

　有意に使用すれば、人類社会に非常に有益な研究です。
　病気の遺伝子（癌や遺伝的障害）を入れ替えることによって、病気を完治したり予防することができます。動物でも、肉付きの良い魚や家畜が容易に品種改良できます。遺伝子組み換えの穀物が問題になっていますが、もっと根源的に品種改良することも容易です。
　絶滅した動物を復活させようとする動きもあります。

　人間に応用して病気を予防・治療するのは役立つので良いことでしょうが、病気にならない遺伝子に変化させて子供を産むのはどうか？
　さらに進んで頭の良い子供、筋肉ムキムキのスポーツ人間に遺伝子を改変した人間を産むのは？

　革新的に応用範囲の広い技術ですが、悪用すれば原爆より怖い存在になる可能性があります。人類はダイナマイトの発明が産業発展に大いに貢献しましたが、同時に武器の能力を飛躍的に高めました。

　人類の岐路になる技術でしょう。