ある時、金持ちの貴族が劇場を開き、無料で人々を招待しました。
そして素晴らしい出し物をした者には、多大な報酬
をつかわすとのおふれを出しました。
報酬
を得ようと、腕に覚えのある者が大勢競い合いました。
そこへ、大変面白いと評判の道化
がやって来て、新しい
出し物を披露すると言うのです。
この話は世間で持ちきりとなり、大勢の人々が劇場へ
詰めかけました。
すると道化
は観衆が見守る中、着ているマントの中に顔を突っ込んで、子ブタ
の鳴き真似をしたのです。
それがあまりにもうまかったので、人々はマントの舌に子ブタ
が隠れているのだと思いました。
そしてマントを脱ぐように要求する人々に、道化
は言われるままにマントを脱ぎました。
しかし、何も出てこなかったので、人々は道化
に喝采
を浴びせました。
さて、それを見ていたある田舎者が、こんなことを言いました。
「ははーん、おれは田舎でブタ
を飼っているから知っているが、あの鳴き真似は二流だな。とても、わしの鳴き真似にはかなわんよ」
そして田舎者は、明日もっと上手なブタ
の鳴き真似を披露すると公言したのです。
続くモンミ
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