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2017年10月11日01:23

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お笑い芸人さんの取材方法

関西ライター界のトップランナーといえば、まず名前があがるのが「仲谷暢之」(なかたにのぶゆき)さんでしょう。

仲谷さんは現在「Webぴあ」にて芸人さんのインタビュー記事を執筆。
また「朝日新聞」にて、R-1王者の「なだぎ武」さんとともに映画評を連載しておられます。

そう、仲谷さんは芸人さんの取材をさせたら右に出る者がない書き手なのです。

これまで芸人さんを取材した回数は、なんと300回以上!

これ、単純に回数だけではなく、実はすごいこと。
というのも芸人さんを取材するのは、たいへんなんです。

●とにかく取材時間がもらえない。

撮影と読者プレゼント用のサイン色紙を書いてもらうだのを合わせて30分もらえれば御の字。
「トータル15分」という場合も少なくない。

もしカメラマンが手間取ったり、「やたら撮る」人だったりすると、インタビューに割ける時間はたったの5分! なんていうことも(涙)。

なのに指定の文字数は数千に及ぶという……。

●コンビやトリオには均等に話をさせなければならない。

複数名で活動する芸人さんの場合、ひとりだけがたくさん話をし、あとの人は黙っているという場合が少なくはありません。

でもふたりとも、あるいは3人とも話をしてもらわないと記事にはならないのです。
なんとか、均等にコメントをもらえるまで短い時間内に食い下がらねばなりません。

●芸人さんの機嫌が悪い。

芸人さんのなかには取材の時間にテンションのスイッチを「オフ」にしている人もいます。
言葉数が少なく、なにも答えてくれないんです。

意外と精神的に余裕があるベテランさんのほうが取材はやりやすい。

もっともやりにくいのが賞レースの予選でいいところまで勝ち上がっているような期待の中堅。
たいていが目が回るほど忙しく、置かれている状況も緊迫しています。
そのピリピリイライラや疲労を取材時間に「無口」「無言」という方法でもろにぶつけられることがあります。

●ゲラチェックが返ってこない上に修整指定が多すぎる。

そうやって苦心して話を訊きだし、原稿をあげて、チェックを受けるために所属事務所へ送ったものの、待てど暮らせど返事がない。

再三の催促の末に返ってきたのがなんと校了日!
しかもこの期に及んでゲラには修正の指示が山ほど入っている(さらに、もっとも面白い場所が『全カット』とか平気である)という地獄を味わうことになります。

なので、どんなにお笑いが好きでも、芸人さんの取材は心が折れて続かないのです。
それまでファンだったのに、嫌いになってしまったり……。

そんな過酷な芸人取材を四半世紀も継続している仲谷さんと先日、お茶をしてきました。

仲谷さんの「芸人さん取材のコツ」は、「デビュー当時」のネタと「最新」のネタを絶対におさえておく、というもの。

デビュー当時のネタを知っていると、芸人さんたちは「このライターは自分たちに本気で興味を抱いてくれているんだ」と心を開いてくれます。

そして頭角をあらわした当たりネタに関しては、「ご本人たちの口」から語ってもらう。
そうすることで「インタビュー」が「作品」になるのです。

多くのライターは、ここを間違う。
当たったネタだけをチェックして取材へ行ってしまう。
そうなると向こうも「本当は自分たちにさほど興味がないんだろう?」と考えてしまうのです。

そういう取材方法の話、おもしろいし、勉強になります。
僕だけが聞くのはもったいないので、公聴会をもうけました。

☆★☆──☆★☆

わたくしは毎月第四水曜日の夜に、大阪北浜にあるハヤシライスがおいしい喫茶店「フレイムハウス」にて「関西ライターズリビングルーム」というトークショーを開いております。

「関西ライターズリビングルーム」とは、ライター(僕)が、第一線で活躍するライターに「文章で生きる仕事術」を訊く公開インタビュースタイルのイベントです。

「ライターってすごくおもしろい人がたくさんいるのに、インタビューする側にだけさせていてはもったいない」という想いから、これをはじめました。

そして10月25日(水)に第七夜を開催します。

お招きするスポットライターは、これまで300回以上、お笑い芸人を取材してこられ、「お笑い」「映画」「演劇」記事で定評のあるライターの仲谷暢之(なかたにのぶゆき)さんです。

代表的なお仕事が『マンスリーよしもと』。
創刊期から最後期まで編集に携わり、現在メジャーグラウンドで活躍するよしもと芸人さんのほぼ全員を取材しておられます。

そんな仲谷さんに「エンタメの魅力を読者に伝える書き方」についておうかがいします。

お笑いが好きな方には垂涎の一夜となるはず。
ぜひともご予約くださいませ。

開催日 2017年10月25日(水)
午後8時OPEN 午後8時30分START
*基本毎月第四水曜日開催

第七夜
テーマ「エンタメの魅力を読者に伝える書き方」
ゲスト 仲谷暢之(なかたにのぶゆき)さん
訊き手 吉村智樹
定員 20名

▼予約メールフォーム(クリック)
吉村智樹事務所へのお問い合わせフォーム
http://tomokiy.com/postmail.html
(完全予約制ではありませんが、もしも予約で定員20名に達した場合は、札止めとなります。また、予約後にキャンセルされる場合はご連絡をください)

場所 
大阪北浜 喫茶「フレイムハウス」
URL http://www.katana.cx/~fureimu/

住所 大阪市中央区淡路町1-6-4
アクセス その1 地下鉄堺筋線「北浜」駅から南へ徒歩3分
その2 地下鉄堺筋線・中央線「堺筋本町」駅から北へ徒歩5分

開場 午後8時
受け付けは午後8時から。
それまでは通常の喫茶店営業時間です。

開演 午後8時30分〜およそ1時間
営業 午後10時30分まで
ラストオーダー午後10時

入場料 1000円+要ワンオーダー
*店内禁煙となります。
お会いできるのを楽しみにしております。

以降毎月第四水曜日の夜、第一線で活躍するライターが続々登場します。
おいしいお酒やフードとともに、ぜひ耳を傾けてみてください。

仲谷暢之 NOBUYUKI NAKATANI
1968年 大阪市生まれ

大阪芸術大学出身。
吉本興業から発行していた雑誌『マンスリーよしもと』『マンスリーよしもとPLUS』の編集者・ライターを休刊まで担当。

以後フリーランスとして関西のおみやげもんを発信する「KOKOMOよしもと」の『ココモよってぇ屋』の商品企画・開発とプロモーションを担当。

ほか、和紙と障子の老舗『カドカワ』のブランディング、様々な雑誌での連載執筆、パンフレットの編集、企業CMのプランニング・ディレクション、映画の宣伝プロモーション、イベントや番組の構成、芝居の脚本なども手がけている。
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