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2017年10月01日22:30

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たいら母の一族の話 番外編1"近所の公園で松茸狩り"

先月が誕生月だった たいら母はめでたく86歳を迎えることが出来た。

 「考えてみれば親族の柵から解放されて初めての誕生日ねうれしい顔

と清々しく微笑んでいたが、わたしの心中はそんなに穏やかではなかった。
理由の一つは最近ちょくちょくつぶやきで愚痴っている、
たいら家の隣にあった故・須磨子(仮名)伯母の自宅を相続した従姉夫婦とのトラブル。
とは言え、これは過去半世紀近い隣家とのトラブルの延長なので、
カウンセリングを受けている精神科の医師には、

 「世の中には頭の……な人がいるんだなあ」

と驚嘆されてしまったが、個人的にはウザくて苛つくことはあっても今更驚くような話ではない。


わたしが一番気にしているのは別のこと。
誕生月が過ぎたのに注文しておいた母の誕生日プレゼントが未だ届かないという問題だ。
母は趣味の合わない品物をあげるくらいなら、
現金を渡して好きな物を買って貰った方が良いと言う考え方だが、
そうした母の主義で幼稚園の頃までしかプレゼントを貰ったことがなかったわたしは、
反動から品物を選んであげたい派になった。
とは言え、母は自身の趣味に合わない物を貰っても絶対に使わないので、
当たり外れのない消え物をと言う訳で、
ここ数年は毎年同じ地方の農産物店に頼んで国産の松茸をプレゼントしていた。


母は松茸が好きだし、松茸ご飯を作れば当然ご相伴にあずかれるのは良いけれど、
松茸って決まった日に絶対採れるという保証はないから、
届くのが少しくらい遅くなるという欠点はあったが、例年9月末頃にはなんとか届いていた。
しかし、今年は様子が違った。
9月の後半にさしかかった頃に、

 「例年9月の後半は1番ピークなのですが、今年はまだコロも出てきません」

と泣きのメールが来たのだ。
とは言え、もう少し待てばなんとかと思っていたが、
今日になって取引をキャンセルしたい旨のメールが来た。

 「毎日5-6時間山を歩いてもらいましたが
 松茸もそうですがしめじや毒キノコなどその他のキノコも出ていない状態」

なのだそうだ。う〜ん、仕方がないから他県の業者さんに頼むか。
と言う訳で、母に事情を話して更に遅れることを伝えたら、

 「"近所の公園で松茸狩り"が出来るわけじゃないから大変よね」

と独りごちていた。


"近所の公園で松茸狩り"というのは たいら母のお嬢様時代の珍エピソードの一つ。
6月14日の日記に書いた事情から、たいら母の実家は昔々はかなりお金持ちで、
誘拐されないよう子どもの数だけ車を買って運転手付きで通学させたかと思えば、
踊りのお稽古をするために家に舞台を作ったりと、
トンでもエピソードに事欠かない暮らしぶりだった。
秋のレジャーと言えば学齢前に祖父と行った"松茸狩り"が忘れられない、
とのことなのでどんな山に登ったのだろうと尋ねたら場所は「家の近所の公園」と言う。
ちなみにその時、母の家があったのは東京のど真ん中。
いくら80年以上前だとは言え、東京のど真ん中では松茸は採れないだろう?
と突っ込んだら今になって矛盾に気付いた母が、

 「そう言えば、あの公園に松なんか1本もなかったわ」

と言い出した。思い出す限り公園にあったのは桜の木と銀杏の木。
でもしっかりその根元には松茸があって、学齢前の母は何本も松茸を採ったという。
それってもしかして子どもに松茸狩りを経験させたいと思った祖父が、
松茸を買ってきて近所の公園にイースターエッグ宜しく隠し、
子どもたちに探させた壮大なやらせなのでは?


ちなみにこのエピソードは、須磨子伯母(仮)の誘拐事件の直後。
祖父の休みの日に一家で稲田悦子ちゃんのフィギュアスケートを見に行く予定だったのが、
誘拐事件があったばかりなので人混みは危ないのではということで、
急遽、"近所の公園で松茸狩り"に予定を変更したということらしい。
笑えるので本編に採用したかったけれど、
話の流れ的に入れない方がスッキリしたので割愛したエピソードを、
松茸不作の報で思い出したので特別編として復活させてみた。
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