mixiユーザー(id:696790)

2017年09月18日00:49

135 view

【レビュー】奇跡の丘

★どういうわけか、最近のmixiでは映画のレビュー検索をかけてもちっともヒットしない。検索システムがものすごく貧弱になっているようだ。以前書いた映画ですら検索できない。困ったものだ。プンプン!

★こないだの「去年マリエンバートで」もそうだ。結局他人のレビューを根気よく探して見つけ出すしかなかった。しかも一度見つけ出すと、関連作としてちゃんとリンクがある。ようするに検索システムに欠陥があるのだ。これじゃあ自分のレビュー書いたり、他人のを読んだりがロクにできないじゃないか。つまらん!

★今回もパゾリーニの「奇跡の丘」のレビューを書こうとしたら、タイトルはおろか監督名でも全然ヒットしない。もう今回は諦めて、日記にかくことにする…つまらん、実につまらん!

★…というわけで、「奇跡の丘」のレビューであります。



★「奇跡の丘」(1964 イタリア・フランス)★


BS録りため分。資料本「〜1001本」に載っていたので録画。キリストの受難劇(マタイ伝)の再現映画ということだが、予備知識はそれ以上なし。

・あらすじ(「Movie Walker」より)
http://movie.walkerplus.com/mv13656/

はいはい、こういう映画か。キリスト教徒ではない私は、一応教養として新約聖書も読んではいるが、特段深い思い入れや考察もないまま、ただ物語としてその概略をぼんやりと憶えている程度だ。そんな私にとってこの映画は極めてニュートラルでストレートなキリスト劇だった。読んでいた時に浮かんだイメージがそのまま映像になっているようだった。

そういう意味では特に新味は感じなかったのだが、資料本やネットの解説を読んでみると、私がニュートラルに感じた、その「普通のリアリズム」でキリストの生涯を再現したことがこの映画の歴史的価値であるようだ。なるほど、キリスト教の信仰が文化の土台となっているヨーロッパでは逆にそういうことになるのか。

資料本によると、この映画はプロの俳優を使わず、南イタリアとモロッコでロケをして、できるだけ簡素に、いわゆる「ネオ・リアリスモ」の手法で作られたものだという。言われてああ、と思わされるところがあった。そういえあの「無防備都市」によく似た空気感がある。そしてその空気感が生み出す臨場感に、私もしっかり引き込まれて一気に観ることができた。それから作中で流れる音楽はクラシックが基調だが、黒人霊歌も使ってあり、それにちょっと違和感があったのだが、そういう立場から作られたものということでなんだか納得がいった。

物語の背景になる風景は、厳密にいえばキリストがいた当時の中東とはだいぶ違っているのだろう。だが最初に書いたように、非信者の私が聖書を読んで脳裡に浮かんだ風景や物語は、まさにこんな感じだ。そういう非信者的なアプローチで新約聖書を映像化したところに、この映画の特質と価値があるのだろう。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年09月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

最近の日記