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2017年09月06日01:26

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昨夜、仕事帰りに観てきた1本。

昨夜は、シネマサンシャイン大和郡山にて、『ダンケルク』の試写会があった。
しかも、IMAX版での試写会である。

僕も番組で関わらせてもらっているので、試写会に潜入することは可能だった。

平日でもあり、当初は仕事で行けないな・・・と思っていたが、思いのほか業務もはかどって、午後6時前には会社を出れそうだった。

しかし! まぁ、ここで愚痴っても仕方がないのだが、予想外のことが起こってしまって、すぐに帰ることができなくなった。

会社からシネマサンシャイン大和郡山までは、車を飛ばしても1時間以上はかかってしまう。
もう、その時点で試写会は断念せざるをえなかった。

結局、会社を出たのは午後8時頃。

意気消沈しつつ、まぁ、週末の封切りで観に行けばいいや、と気持ちを切り替えたが、先週末に映画に行ってないため、今週末に観たい映画がたまりまくっている。

これが夏季休暇の頃だったら、日も時間もたっぷりあるのに、それを考えると今年のサマーシーズンは個人的には不作だったというしかない。

それはともかく、体力と気力がある限り、1本でも観ておこうと思って選んだのがこの作品だった。



『きみの声をとどけたい』

先日に観た『二度目の夏〜』同様、またまた高校生を主人公とした映画だ。

ここらでもっと暴力的な血まみれな映画か、エロティックな映画を観たいものよという欲求不満を抑えつつ、この映画を選んだのは、公開前に「ラジオに関わっている方、必見」という声を聴いていたからだ。

映画の主人公たちは、ミニFMのDJという設定なのである。
なんだ、軽音楽の次はDJかよ。
それを人間離れなディフォルメされたデザイン(これが僕がアニメを敬遠する最大の理由だ)のキャラが演じるなんて、ラジオを嘗めてんのかい、って。

キュートなキャラがDJまがいなことをやって、それをさもおっしゃれ〜〜〜、みたいなカラーでくるんでいっちょ上がりみたいな映画だと思ってた。
重ねて書くが、あのキャラデザインにはどうしても抵抗を感じてしまう。

ヒロインのなぎさは鎌倉の女子高生。
ひょんなことから廃墟になった喫茶店に入り込んだらば、そこにあるのはレコードプレーヤーにマイクにミキサー。
これってラジオ局?

そこはかつて、ある女性が開設したミニFM局だった。
そうとは知らず、なぎさはDJ気分でいま自分が悩んでいることを、マイクの前で喋る。

初めてマイクを前に、よくもあんなにスラスラと喋れるものよ。
僕なんて、初めてマイクの前で喋った時なんて、風呂の中で屁ぇこいてるようなもんで、いまじゃその時の収録データ、恥ずかしくって聴けねぇぞ。

んで、そのなぎさの声は電波に乗って飛んでいたわけだ。
それがもとで、彼女の周囲にいろんな変化が起こっていくというお話。


それから90分。

なんといい映画やないの・・・。

物語自体は、なぎさを中心として、いろんな出来事が起こるんだが、それを最後に収束させる物語構成はじつに清々しい。

観る前にあれこれ思っていた邪念(あえて書くけど)は、ことごとく洗い流されたかのようだ。

物語に中で頻繁に出てくるキーワードに「言霊」がある。
文字通り、言葉には魂が宿るというものだ。

映画では多少ファンタジックに言霊を表現していたけれど、民俗学好きでもある僕には、逐一納得させられる要素であった。
しかも、曲がりなりにもラジオに関わっている身としては、言霊に対してあらためて考えさせられる一編だった。

はたして自分は、ラジオを通じて何を発信しようとしているのか。
ただの自己満足じゃないのか?(自己満足なんですけど)
そこにメッセージ性はあるのか?(ないと思う)

等々、己を顧みる要素がてんこ盛りで、なんだか意気揚々として答案用紙を提出したら、赤点でした・・・みたいな気分だ。

いや、それに落ち込むというんじゃなくって、これからもラジオに関わろうとする中で、今一度自分のことを見つめ直す、いい機会を与えてくれたと思う。

ミニFM局を開設するにあたっての蘊蓄も、登場人物のセリフを借りてさりげなく盛り込まれているのも微笑ましい。
あのあたりなんて、僕がほんとに最初にラジオに関わった頃のことを思い出してしまった。

最後まで、あのキャラデザインは好きになれなかったが、じつに爽やかで、それでいて含蓄のある映画に仕上がっており、個人的には思わぬ拾い物だった。

本作は、声優を目指す若者たちのオーデションを兼ねた企画だったとのこと。
声優、つまり喋る仕事であるわけで、そこにFM局を絡めるという企画自体が、素直に嬉しい。

松田彬人氏のスコアは、これまた爽やかなもので、豊かなストリングスを盛り込みつつ、深みのある仕上がりになっていて好印象。
さらにクライマックスで登場人物たちが唄うナンバーが、物語を大いに盛り上げてくれる。
これにはグっときたね。

ただ、エンドクレジットに流れたナンバーは、POPに走り過ぎて、それまでのアコースティックな情感を崩していた感があって馴染めなかった。

ヒロインたちの声をアテレコした新人声優たちを、アイドルとして売り出そうとするのはいいけれど、それがちょっとあからさま過ぎた感がある。


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