ズ―岡の「怪奇ミステリ―・ム―より」

◆伊藤茂子―秋田市

「だれが？あるいは何が？何らかのメッセ―ジが私に」


今年の６月初旬に起きた不思議な出来事です。私の家には古くて小さな神棚があります。

私が定期的にその神棚の清掃をするのですが、そのひとつに神棚の中からお札を出して中を抜くという作業があります。

今までにも何度となく繰り返してきた作業なのですが、今回、今回初めて異変が起こりました。

神棚の扉を開けた正面に、頭からベ―ルをかぶり、ロ―ブを着た女性のようなシルエットが浮かびあがっていたのです

驚いたのは言うまでもありません。よく見ると、シルエットの部分の木目の色だけが濃くなっていて、表面自体はごく自然な状態でした。

それにしても、それまでにそんなシルエットなどなかったことは確かです。

実はその１０日ほど前にも不思議なことがありました。

目を休めるため、私は１０分くらい目をつぶっていました。瞑想していたわけではありません。ただ目をとじていただけです。

すると閉じている私の目の前を、右方向から男性の伸ばした腕と手のひらが通りすぎていくのが見えたのです

まわりには白い霞がかかっている感じで、その部分だけがハッキリと見えました。

その直後、今度は斜め左方向から静かに女性が近づいてくるのを察知しました

やはり白い霞がかかっている感じで、姿まではハッキリ見えません。ただし、それが女性であることはわかりました。


その女性は、私に何かを手渡したい雰囲気を醸し出しています。

私が手を差し出すと、女性は半透明の水の雫のようなものを私の手のひらの上に落としました。

当然、現実の出来事ではないので、まったく感触はありません。それでも私には確かに受け取ったという感覚がありました。

その後、私はゆっくりと目を開けました。もちろん手のひらには何もありません。

ただ、女性が私に何かを手渡し、私がそれを受け取ったという確かな感覚だけが、私の手のひらにはハッキリと残っていました。


私には、神棚に現れたベ―ルの女性のシルエットと、目を閉じているときに見えたふたつの不思議な出来事には何か関連性があるような気がしてなりません。

もしかしたら、だれかが、あるいは何かが、あるいは何かが、私に何らかのメッセ―ジを伝えたがっているのでは・・・

などと考えたりするのですが。今現在の私には、まだよくわかりません。






月刊ム―・９月号より転載