ある日、店の旦那が小僧に、お客に品物を売りつける時のコツを教えてやりました。
「いいか、お前は品物を売る時、かけ値をつけずに売ろうとするだろう。だからなかなか、商売がうまくいかないんだ。
品物というのはな、一文で売ろうと思うときには、二文と高く値をつけておく。
五文で売ろうと思うときには、十文と高く値をつけておくがいい。
そしてお客がまけろと言ったら、少しずつ値段を下げていくんだ。
これをかけ値と言ってな、商いをする時の大事なコツなんだ。
いいか、わかったな。これからは、全てこの要領でやるのだぞ」
さて、それから何日かたったある日の事。近所で、
「火事だ
」と、騒ぎだしたので、
小僧が急いで屋根の上にあがりました。そこへ旦那がやって来て、
「おい、火事はどこだ?」と、聞きました。すると、小僧が、
「はい、五、六丁(約5、6百メートル)も南でございます」と、答えました。
「ほう、そんなに遠くなら安心だな・・・しかし、それにしては騒ぎが近いような気がするが」
「はい、かけ値をつけて言ったので、実はもう少し近いです」
それを聞いた旦那が怒って
小僧を怒鳴りつけました。
「たわけ者
火事をかけ値で言う奴があるか
」すると小僧は、こう言い直しました。
「では、かけ値をつけずに申します。火事は、すぐ目の前の五、六軒先でございます
火の手がどんどん大きくなって、あらら、ついにこの家の屋根にも飛び火しましたよ
」
「・・・・・・」
ちゃんちゃん
( ̄ー ̄)教訓:秘書は賢い人を選び、上から物言わず思いやりをもって接する。さすれば・・・・・
「この、ハゲ―――――
」も言わなくて済むモンミ
(14.10.26)
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