8月6日の雲

「古り残るドームの上をかがやきて　八月六日の雲流れゆく」

私が小学生の頃に父が作った短歌です。読売新聞だか中国新聞だかの歌壇で秀逸として選ばれた歌だったようです。以来、父は自分の代表作と思っていたのか、私が結婚してから、父の記念に短冊に短歌を書いたものがほしいと希望した折に書いてくれた歌もこれでした。

小学生の頃、みんみんと蝉の鳴き声のする中、8月6日の平和祈念式典に何度か連れていってもらったことを覚えています。

父がどういう思いでこの短歌を作り、また子供たちを式典に参加させていたのか、言葉で聞いたことはありませんでしたが、72年前の8月6日の雲の下で起こったこと、忘れてはいけないと改めて思いを強くしています。