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2017年07月30日07:13

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2017年夏休み列車旅01

☆ 助走(2017年07月29日(土))

エアコンと電子レンジのコンセントをひっこ抜き,テレビのオンタイマーと目覚まし時計のアラームを解除し,雨戸を閉め,屋外にあるプロパンガスの元栓を閉じ,浴槽のお湯を抜く。
玄関の鍵をかけて,さて,我が魔窟を出発。

いつもの通勤時は自転車で最寄り駅へと向かうのだけど,今日は徒歩。
さすがに1週間以上も,最寄り駅そばの駐輪場に自転車を置きっぱなしにする気にはなれない。

歩き始めてしばらくしてから,
「給湯器のスイッチ,切ったかな」
どうしても気になって,いったん引き返す。
このあたりの行動も,例年どおり(^^;。


☆ JR高崎線・快速アーバン(07月29日(土))
 大宮0904−1015高崎

まずは高崎を目指す。
敢えて新幹線に乗らず,在来線で行く。

あまり深く考えず,15両編成の列車の,一番前の車輌に乗り込んだ。
そしたら,途中の籠原駅にて。
前5両分の車輌はここで運転終了,ここで編成を切り離して,籠原から先は後ろの10両だけが運転継続,よってさらに先に行く乗客は後ろ10両分の車輌に移動するようにとのこと。
あわてて,後ろのほうの車輌に移動した。


☆ 高崎駅献血ルーム Harmony(07月29日(土))

毎年の夏休みの旅行では,途中のどこかで「旅行献血」をすることにしている。
それで今回も献血することにしたのだけど,旅程を組んでみると,献血場所のあるような都市で2時間ほどの時間をとれるタイミングというのが(成分献血の場合,それくらいの時間がかかる),どう考えても初日にしか設定できない。
というわけで,あまり本意ではないが,ここ高崎の献血ルームにて「旅行献血」をすることにした。

土曜日なので混んでいるかもしれないと思っていたのだけど,天候のせいか(外は雨降り),それほど混んでなかった。
さほど待たされることもなく問診・血液検査と進み,採血へ。
いつものように電子読書端末をもって採血椅子へ向かい,読みかけの電子書籍(ビットコインについてのノンフィクション)の続きを読みながら血小板成分献血の採血を受けた。

採血を終えて休憩していると,記入済みの献血カードを持った職員さんが,細々したものをいくつも持ってきてくれた。
献血の記念品だというのだけれど,今ここでそんなものをもらっても,正直言って困る。
よって,すべて断った。
ただ,今日に限っては地元のライオンズクラブからの記念品もあるというので,極力荷物にならない物ということで,せっかくだから扇子を1本だけ,いただいた。


☆ 上信電鉄上信線(07月29日(土))
 高崎1253−1330上州富岡

高崎駅構内のコインロッカーに荷物を放り込んでから,上信電鉄の改札口へ。
でも,ここでこのローカル私鉄に乗るのは,乗り潰しとかそういうことではなく,単に目的地への交通手段として利用するに過ぎない。
というのも,上信電鉄については20年ほど前に全線を完乗しており,改めて全線乗車したいとも思わなかったのだ。

上信電鉄のホーム入口付近には,トミーテックのキャラクターシリーズ「鉄道むすめ」のひとり,「富岡しるく」ちゃんの立て看板が立っている。
http://tetsudou-musume.net/contents/chara/chara.php?cid=PU22
元気印な感じがちょっと,かわいい(^^)。

券売機で,目的地の入場券と往復乗車券とがセットになった切符を購入。
今や珍しくなってしまった,切符に実際に鋏(はさみ)を入れてくれる改札口をくぐって,乗車ホームへ。

乗車ホームの南高崎駅寄りの端っこに,「電車型待合室」と称する待合室が設置されている。
どうやら,古い電車の車両を待合室に改装したもののようだ。
ちょっと中に入ってみると,座席はロングシートとクロスシート(リクライニングシート)とが半々くらいで,飲料の自販機が設置されている。
車内の銘板に「デハ203」とあったから,かつての200形電車なのだろう。

入ってきた電車は,赤くラッピングされた,西武鉄道の新101系電車を改造した車両。
この,西武の元101系って,わりといろいろなローカル私鉄に再就職している(私が知っているだけでも秩父鉄道・伊豆箱根鉄道・近江鉄道・三岐鉄道などがある)。
それほど名車という感じはしないのだけれど,これはやはり,西武鉄道グループの影響力の大きさ故だろうか。

列車は定刻に高崎駅を発車して,単線の線路を快調に走っていく。
車窓をぼんやり眺めていると,田んぼの中のところどころに太陽光発電パネルが並んでいるのが見える。
休耕田の有効利用ということなのだろうか。
ふと,約2年前の鬼怒川氾濫のとき,水に浸かったソーラーパネルから感電する可能性についての議論があったことを思い出した。
あれ以来,光電パネルの安全性能は,向上しているのだろうか。


☆ 富岡製糸場(07月29日(土))

上州富岡駅にて降車。
駅前で「街中おもしろマップ」とかいう案内地図のチラシを配っていたので,1枚もらった。
街中の飲食店の案内図なのだけれど,富岡製糸場までの道順も記載されている。
地図を見ながら,ボチボチと歩いた。
途中,「とみおか夏まつり」とかいうのをやっている場所があり,ちょうどフラダンスのショーをやっているところだった。

今回の旅行の最初の目的地である,世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産である「富岡製糸場」。
先程,上信電鉄高崎駅にて購入した切符「富岡製糸場見学往復割引乗車券」が,富岡製糸場の入場券にもなっている。
おかげで,入場券売場の列に並ぶこともなく,ススッと入場。

江戸時代末期の開国直後,日本の生糸輸出量は急激に伸びた。
当時,ヨーロッパの生糸産業は微粒子病という蚕の病気で壊滅的打撃を受けたことと,生糸の一大生産国であった清が政治的に混乱していたこととが原因と言われている。
しかしその後,粗製乱造によって日本製生糸は国際評価を落としてしまう。
そこで,日本製生糸の品質を維持し向上させることをめざし,官営の洋式器械製糸場模範工場として設置されたのが,この富岡製糸場というわけ。

官営富岡製糸場は,工場であると同時に技術者養成機関でもあった。
工員は一定レベルの技術を習得すると,郷里に帰って新たに製糸工場を開設する。
そのため,熟練工の定着率は高くなく,工場は赤字が続いたという。
その後,技術者養成の役割を終え,かつ,赤字の続いた官営工場は,三井家に払い下げられる。
三井家は富岡を含む4工場で生糸生産を続け,富岡工場の収益はまずまずだったのだけれど,4工場全体での収益は不調だった。
そこで,これら4工場の生糸生産事業を原富太郎の原合名会社に譲渡。
その後,富岡製糸場は原の会社から独立したのち,当時の日本最大の製紙会社であった片倉製糸紡績に合併された。
そして1987年(昭和62年),生糸価格低迷により,富岡製糸場は操業を停止した。

入口でもらったパンフレットの記載に従って,順路をたどってみる。
ただ,この順路の表示が分かりにくく,いったい何をどのように見せたいのかがよく分からない。
それで,ひととおり見て回った後,改めて,解説員によるガイドツアーに申し込んだ。
このガイドツアー,出発前にイヤホンレシーバが配布され,解説員さんの声をイヤホンで聞くことができるので,解説が聞こえないということがない。
ただし,このガイドツアーも富岡製糸場のすべての場所を回ってくれるわけではない。

この製糸場の主要な建物は,木骨レンガ造になっている。
つまり,木の柱でとレンガ壁との組み合わせでできているのだ。
それで思い出したのだけれど。
数年前にテレビで放映されたアニメ「ご注文はうさぎですか?」という作品(略称「ごちうさ」,原作漫画は現在も連載継続中)の舞台が,ヨーロッパ風の木組みの街ということになっていた。
ヨーロッパの街並みといえば石造りというイメージがある私としては,「ごちうさ」の「木組みの街」という表現がいまいちピンとこなかったのだけど,この富岡製糸場の建物を見て,納得できた。

明治期の製糸工場というと「女工哀史」のイメージがあるけれど,富岡製糸場では福利厚生が充実していたようだ。
1日の労働時間は7時間45分。
7日ごとに完全休日あり。
食事つきの寄宿舎があり,入浴も毎日可能。
工場内には診療所があり,官営のころも治療費・薬代は工場側が負担していたという。
この診療所は,いわば産業医制度の先駆けなのだろう。

私がこれまでに訪ねたことのある世界文化遺産(石見銀山・高野山・熊野古道)では,見せる側が何をどのように見せたいのかが,わりとはっきりしていた。
しかし,ここ富岡製糸場では,いまひとつピントが合わない。
ただ,富岡製糸場は,現在も整備工事・復原工事の真っ最中。
何をどのように見せたいのかが分かるようになるのは,復原工事が終わってからだろうか。

ガイドツアーで構内を回っている間に,雨足が強くなってきた。
ガイドさんの説明を聴き終えた後,西置繭所の保存修理工事見学所を見て回ってから(この夏の期間限定公開だそうな)急いで,駅へ向かった。


☆ 上信電鉄上信線(07月29日(土))
 上州富岡1650−1729高崎

当初の予定では,17時前には高崎駅に戻り,ホテルにチェックインするつもりだった。
それが,ガイドツアーが所要40分という事前の触れ込みのわりには1時間以上もかかってしまったので(興味深い内容だったので文句は全くない),富岡製糸場を出るのが遅くなってしまった。

ますます雨足が強くなる中,上州富岡駅へと向かう。
小さな折り畳み傘では,この土砂降りの雨をしのぎ切るのは難しい。
雨に濡れながら,上州富岡駅へたどり着く。
駅構内からホテルに電話を入れて,チェックインが1時間ほど遅れることを連絡した。

高崎行きの電車は,偶然にも,先ほど乗ったのと同じ車両。
戻りの車内では,電子読書端末を取り出して,献血ルームでの読書の続きに取り組んだ。

列車は定刻に高崎駅に到着。
コインロッカーから荷物を取り出して,駅から徒歩10分ほどのところにあるホテルへと向かった。
本日の行程は,ここまで。


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