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2017年07月23日00:22

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名優の個性を壊した演出

 今日も上野オークラ劇場に行き、ピンク映画を観に行くのであった。
 上映されているのは、大御所池島ゆたか監督『妻たちの宴 不倫痴態』、中川大視資監督『女子トイレ エッチな密室』、西沢幸紀監督『スチュワーデスの秘密 24時間濡れっぱなし』の三本であった。

池島ゆたか監督『妻たちの宴 不倫痴態』ha
パーフェクトファミリーを目指すため家にセックスを持ち込まないと誓った夫婦がそれぞれ浮気をしていく。
夫婦間のセックスレスは暗い物語になるが、本作は明るく、笑いを入れて、後味の悪さを感じることがないものに仕上がっていた。
それでもって、夫婦のキャラがよくできているので、ラスト、禁を破ってセックスをしてしまうのであるが、それが夫婦のほのぼの感ある愛情を感じさているのもいい。
 池島ゆたか監督は、今のところ外れがない監督である。ピンク映画の監督ではもう長老レベルの人だがまだまだ衰えを感じさせない。
でも、オイラの中ではベテランゆえにいい作品を作れるのが当たり前という考えがあるからか、城定秀夫監督や竹洞哲也監督のように熱度は低い人ではある。

 そして、中川大視資監督『女子トイレ エッチな密室』。
 女子トイレで上司とセックスをする女子社員の証拠を清掃のおばさんつかもうとする話で、それにおばさんの上手くいっていない夫婦間の話が関わる。
 このようなストーリーだとコミカルな演出で楽しい作品に仕上げようとするものだが、中川監督は重さを感じる演出をするのであった。
 それもただ重たいだけ、それによって物語がいい方向に行くことがない。重たくても、その中でサスペンス的なものがあればいいのだが、それもなくただ重たいだけであった。
 それで、この映画、名優久保新二さんが出演している。久保さんといえば、アドリブを入れたり高いテンションの芝居で観ているものを笑わし楽しませてくれる人である。本作でもいつもように久保新二節の演技を見せてくれている。
 ところが、演出が重いため、久保新二節の演技が死んでいて、つまらないのである。
 決して、この監督は久保新二さんにシリアスなキャラを求めているとは思えない。
 久保さんを出演しているのに、もったいないことをしているなと感じるのであった。


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