映画『狂つた一頁』を見た。1926年の大正時代くらいの日本映画だった。原作は川端康成で、撮影には円谷英二も関わっており、監督は衣笠貞之助で、横光利一とかも関わっている、そうそうたるメンツが作った映画なので気になってみてみたのだが、さっぱり分からなかった。アヴァンギャルドって感じだった。
川端康成の原作を読んでからの方が理解しやすかったかも知れない。音楽はついていたものの、モノクロでサイレントで説明のための文章すらなかったので。
だが、映像は若い美人が踊っていたり、メトロポリスっぽいのもあったりと、芸術作品ポイ感じで良かったと思う。また、画面を二重に映したり、患者に能のお面をかぶせたり、美しい女性の顔を歪ませたりと演出が面白かった。
特に、いつも踊っている赤い靴みたいな病気の設定の女性がとても可愛かった。
内容は、精神病院が舞台で、病にかかった妻を夫が献身的に看病している。彼らには年頃の一人娘がおり、結婚を夢見ている?のだが、母親が精神の病のために貰い手がないのを悩んでいる?らしい。
父親は、一人娘に宝くじで当たった箪笥をプレゼントしたりするのを妄想したり、妻を病院から連れ出し、医者を撲殺したりするのを妄想するのだが、結局はたせないままみたいな感じで終った?という感じだった。
原作を先に読んでおくべきだったと思った。
監督はこの映画で借金を抱えてしまったそうだ。確かに人類には早過ぎる映画だったと思うが、新しいモダンなものを作ったろうみたいな気概は感じられた。チャレンジ精神があるのが良かった。
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