嶋さんのこの本でJAZZの名盤 ソニーロリンズ・サキソフォンコロッサスを題材に表記問題がありとあらゆる新譜 リマスターCDに伝染病のように広がっていることを知った。
詳しくはリンク先に詳細に述べられているが、簡単にまとめると、今のCDにするにはマスターテープの大きな音(ピーク)は叩いて抑え、弱音は逆に音量を持ち上げて目立つようにすることを「Loudness War」と言うそうです。
http://pspunch.com/pd/article/loudness/
チープなカーステ、スマホ&廉価イヤホンら携帯オーディオでもはっきり聞こえるための技術とされます。
このサキソフォンコロッサスのリマスターCDは何種類もある中で、あのルディ・ヴァンゲルダー自身がこれを激しく行い、せっかくのマックス・ローチが試みたドラムの強弱でロリンズとのインタープレイをした表現らを消し去っているそうだ。
嶋さんによると、ピークを叩く、抑える以上に、弱音を持ち上げる加工の問題を強調されていた。
面白い計測画像があった。
マキシマイザというソフトウェアを通して、元の音源のダイナミックレンジを加工するそうです。
ここで、年代の異なるの二つのCDアルバムを取り込んだ波形を比べてみます。
下図は、1973年に制作されたバンド物のアルバムで、後にCD化されたもの(以降「A」)より、冒頭から数トラックの波形を表示したところです。
普通に大きな音 小さな音が入っています。
次に見るのは、同じくバンド物の、2008年にリリースされたタイトル(以降「B」)から、同様に波形を表示したものです。
こちらは先ほどのタイトルとは対照的に、ピークはほぼ絶えず0dBFSに到達しています。また、一見すると曲中やトラック間のレベル差はあまりないように見えます。
ご想像のとおり、再生機器のボリュームを変更しない限りにおいて後者の方が遥かに大きく聞こえます。
この大きく聞こえれば売れる、受けがいいと軽音楽のみならず、クラシックに至るまで横行しているそうです。
演奏本来の強弱、楽器が持つ強弱での音色の違いらが全部潰されてしまい、嶋さんによるとサキコロのバンゲルダーリマスター盤は苦痛で聞いていられなかったそうです。
それならマスターからほとんど無加工の廉価盤として多数売られたOJC盤の方がはるかにマシだとか。
ハイエンドオーディオで広範囲なダイナミックレンジに耐えられる装置をお持ちなら、さらにLoudness Warは苦痛な再生音になるそうです。
ログインしてコメントを確認・投稿する