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2017年06月22日11:17

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「・・・させていただきます」



日本人は「・・・・・します」という代わりに「・・・・・・させていただく」とよく言います。外国人は不思議に思うようです。
月刊「ザ・フナイ」(08年6月号)に中矢伸一氏が連載記事の中で、興味のあることを書いていましたので、以下抜粋、要約して紹介します。


韓国・済州島生まれの呉善花さんは、1983年に渡日して以来、日本人の何気ない振る舞いや、日常の習慣や、日本語の会話そのものに、理解できない部分が多くあったという。

一つは、日本人は日常会話の中で「受け身形」の表現が非常に多いということである。
例えば、日本人は「私は先生に怒られた」という言い方をする。「先生が私を怒った」とは、先ず言わない。

また、日本語では、花にとまっている蝶を捕まえようとして「ああ、蝶に逃げられちゃった」と言う。英語ではそういう言い方はしないし、韓国語でもそうは言わないという。

こんな例は枚挙に暇がない。「そこに座られると通れない」、「泥棒に入られた」、「雨に降られた」・・・・・たしかに私たちは、無意識のうちに「受け身形」をよく使う。

それは、外国人には「受け身」の濫用ともとられるようだ。「受け身」にする必要もないのに、日本人はなぜか「受け身形」を会話の中で多用しているわけだ。

文法上は「受け身形」でなくても、自分を明らかに受け身の立場において表現する場合もある。「○○させていただきます」という言い方がそうだ。

呉さんは、取引先の方から「お先に帰らせていただきます」という言葉を聞いた時にはビックリしてしまったという。

帰る、帰らないはそちらの問題である。自分はそんな許可を与える権限を持っているわけでもない。本当なら「帰ります」で済むはずなのに、どうして私から自分が「帰る」のを
ご丁寧にも「いただ」かなくてはならないのだろう。

またある時は「代金のお振込みをさせていただきます」という電話をもらって、どうしてそういう言い方になるのか、理解に苦しんだという。「振り込みます」とストレートに言えばいいのを、お金を払う側、つまり強い立場にある者が、どういうわけか畏(かしこ)まっている。

なぜそんな言い方になるのか、呉さんが出した結論はこうだ。

日本人には主客をハッキリさせず、その代わりに、人為を超えた自然と神とか、超自然的な力をどこかで意識し、それに対して受け身の立場に置くことで、他とのコミュニケーションをはかり、そうすることで社会全体的な調和をはかっている、と。

これは、日本人の特長であるらしい。

日本における「和」の知恵は、そうした日常のさりげない言葉にも表れていて、みんなが無意識に使っている。  ・・・・・・・以下略・・・・・・・。
(以上)


日本人は他の国の人に比べて「自分が・・・」「わしが・・・」を、あまり出さないのではないかと思います。

自他をあまり区別しない心、対立を好まない心、譲り合いの心、謙虚さ、そして自然との一体感が、こうした「・・・・させていただく」という心の豊かさを表す言葉になったのだと思います。




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