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2017年05月24日12:16

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北朝鮮のミサイルを見張る千里眼 亀甲模様の“ガメラレーダー”FPS5

 下記は、2017.5.24 付の産経ニュース【防衛最前線】です。

                        記

 国際社会のごうごうたる非難にもかかわらず、北朝鮮が立て続けに弾道ミサイル発射を強行している。5月に入ってからも14日、21日と週末に続いた。とりわけ14日の「火星12」は、通常よりも垂直に近い角度で打ち上げ、飛距離を抑える「ロフテッド軌道」で発射され、高度が約2000キロメートル超(北朝鮮発表では2111キロ)と、過去最高の高さに到達したことが注目された。

 2000キロといえばどれくらいか。旅客機が通常、飛行する高度は10キロ前後で、国際宇宙ステーションは高度400キロの軌道を周回している。気象衛星「ひまわり」の約3万6000キロには及ばないが、日常生活の感覚ではイメージできないほどの高さであることは間違いない。

 一方で、高度2000キロまで到達したミサイルを、日本や米国などのレーダー網はしっかりと捕捉していた。その一角で、大きな役目を果たしたに違いないのが、地上配備型の警戒管制レーダー「FPS5」だ。弾道ミサイル防衛というと、海上自衛隊のイージス艦や地対空誘導弾PAC3がテレビなどではおなじみだが、FPS5はシステム全体の基幹レーダーとして非常に重要な位置付けにある。

 「ガメラレーダー」という愛称の方が通りがいい。高さ約34メートルの巨大な構造物で、上からみると六角柱の形をしている。特徴的なのは、3つの側面に付けられたレーダーと、その円形の覆い(レドーム)だ。タイルを組み合わせたような外見で、まるで亀の甲羅のよう。そこで、あの特撮怪獣「ガメラ」にちなんだ愛称がついたというわけだ。

 レドームに覆われた3基のアンテナのうち、最も大きいのものは直径18メートルあり、弾道ミサイルや航空機などに対応する主警戒面。残る2基は直径12メートルで、航空機や巡航ミサイルへの対処用とされている。探知距離は、もちろん機密だが、数千キロは見通せるといわれている。構造物全体を回転させ、目標に応じて主警戒面の向きを変えることもできる。

 平成11年度から開発がスタート。20年度に1号機が下甑島分屯基地(鹿児島県)に配備された。21年度に佐渡(新潟県)、22年度に大湊(青森県)、24年度に与座岳(沖縄県)の各分屯基地に配備され、計4基態勢に。他のタイプのレーダーとあわせ、全国で計28カ所のレーダーサイト網を構成し、日本周辺の空域を365日、24時間態勢で見張っている。

 こうしたレーダーが配置されている場所は離島や遠隔地も多く、なおかつ山頂など、交通や気象条件も厳しいところが目立つ。レーダーで警戒監視を行っている自衛隊の部隊が、豪雪や強風といった厳しい勤務環境の中で任務にあたり、防空を担っていることも忘れてはいけない。

 (政治部 千葉倫之)

 http://www.sankei.com/premium/news/170524/prm1705240006-n1.html
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