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2017年05月19日21:16

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中村天風「人間の健康も、運命も、心一つの置きどころ」



武田鏡村「中村天風の行動学」(東洋経済社)より。

肉体から気(霊魂)の力への転換

「人間の生命に与えられた活きる力というものは、肉体に在るのではなく、霊魂という気の中にある」。この言葉は、中村天風の考え方の根幹となるものだ。

私たちは普通、肉体があるから心があり、心のもとになる気、霊魂があると思いがちだ。
しかし、天風の考え方は違う。肉体が生きているのは、霊魂という気の力が肉体を活かしている――天風はそう断言してはばからない。

天風はそれを、扇風機を例に、こう説いている。
普通、人は、扇風機はそれ自体が回って風を送っていると思っている。彼らは、風の強弱や首振り、タイマーなどの機能を見て、扇風機の働きをとらえているのだ。だが、扇風機を動かしているのは、実はそこに通電されている電気の力である。このことに気づく人は多くない、と。

扇風機の例のように、私たちは肉体という器ばかりに気をとられ、その機能、効用だけに注目しがちである。しかし、器を支える根本的な力の存在に目を向けなければ、ものの本質をつかむことはできない。

病気の場合もそうだ。「痛い」「だるい」「痩せる」「体調がおかしい」といった症状にばかり気をとられてしまう。

そのため、いったん病気になると、体の状態や変化にだけ気をとられ、どうしたら肉体の健康が回復できるかと、気が肉体にばかり注がれてしまう。しかし、気が肉体のありかたにばかり注がれてしまうと、気自体が本来持っている力がそがれてしまうのだ。


肉体という器に注目するのではなく、肉体を支えている心(霊魂という気)に目を向けること。
天風は言う。「人間の健康も、運命も、心一つの置きどころ」。

それはヨガの哲学では「心の思考が人生を創る」と言い表されるものであろう。



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