昔、お菓子作りが趣味という女の子から、「小麦粉と同じ分量の砂糖を使うんだよ」と
ケーキについて知らされたとき、「まじかよ」と素直に驚いたことがある。
小麦粉が主原料であり主体であり、砂糖は副次的であくまでも調味料。
それがどっこい等量と聞かされたら、驚くのも無理はないと思う。
ケーキのような焼き菓子は作らないが、プリンを初めとする生菓子を自分で作るようになって分ったのが、「甘さ控えめ」の罠である。
ま、プリンを例に実数値を挙げて話そうか。
飲み会の席で、私のプリンを食ったことがある人は多いと思う。
仕様によってパラつきがあるのだが…
牛乳700cc に対して、卵6個〜10個、砂糖が100〜120グラムを使用し、8〜10個のプリンが出来る。
カップ一個あたりの砂糖の含有量は、だいたい12グラム程度だ。
コップ一杯のサイダーと同じか、やや少ないだろう。
ちなみに、コカコーラ350cc缶には砂糖が約40グラム含まれる。
食った人間なら判ると思うが、かなり濃厚でしっかり甘く作ってあったはずだ。
私は、カラメルを作らず本体のみで喰わせる仕様を採用してきたので、砂糖はケチらず入れて、しっかりした甘さにしてある。
それでも、その含有量は、12グラムほど。
砂糖を減らして、甘さ控えめプリンを作るとしよう。
砂糖を二割ほど減らすと、体感の甘さが半分になる。
やや誇張はあるが、ビックリするほど釣り合わないのだ。これが……。
逆に言えば、甘さが半分なのに、砂糖の総量はあんま変わってない…という……。
砂糖の含有量と、感じる甘さをグラフにしたら、それは決して直線では示されない。
さらに付け加えることがある。
卵の、黄身と白身の割合を変えると、同じ量の砂糖を加えても仕上がりの甘さが全く違う。
よく手土産に持っていくやつは、卵を10個分、黄身のみを使用する。
これはコクと甘みが強くなる。
対して、スタンダード素プリンの場合、卵6個分、白身も含めた全卵1に、黄身のみ2の割合。
この場合、甘さが控えめになる。一口食って明らかに違うと判る程度の差が生まれる。
もちろん、同じ砂糖の量でだ。
白身の分、薄まったんじゃないの? と思うかもしれないが、卵の使用総量はほぼ同じだろう。
何が云いたいのか、結論を言えば、
人間の舌で、砂糖の含有を測ることはほぼ不可能で、体感は相当アテにならない。
いやむしろ舌を信用すると、かえって罠にかかる。
「甘さ控えめでダイエットにもよさそう」
「甘さが控えめだから、いくらでも食べられちゃう」
やべーw マジやべーw
なので、手土産に持っていく飲み会仕様などは、しっかり砂糖を効かせて、一個で相応に脳を黙らせることを目指して練成している。
まあ、なかなか全員に潤沢な量が行き渡らないこともあるので、そういう方向にせざるを得ない。という現実もあるのだがw
プリンだけを例に話をしてきたが、ゼリーなども含めると、もっとひどいことになる。
いろいろ作ってきたが、プリンはもっとも少ない砂糖で多くの甘みを出せる王様だと思う。
紅茶ゼリーを単体で「甘さ控えめ」にした場合……、うわぁぁぁ、ってなるw
甘さ控えめで、でだ。
いっそ一切無糖で、シロップかけて食う形式が現実的な落としどころ。
まあ、たしかにカロリーでいえば、プリンは低カロリーとは言えない。
が、12グラム程度の砂糖を除けば、あとは牛乳と卵。
完全栄養食とも言われる双璧で、高タンパク、カルシウム、ビタミンをバランスよく含む。
お菓子っつーか、むはやおかずのレベルw
ダイエット戦士には、むしろしっかり甘くしたプリンを、一個だけ食べることを推奨したい。
次回、カラメルという劇薬。
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