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2017年03月16日12:19

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壮絶で壮大な「失敗作」。

永井豪氏の原作漫画『デビルマン』アニメ化 湯浅政明監督が結末まで描き切る
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=4479898

最後って、牧村家惨殺から人類滅亡まで?
無理に決まってんじゃん!

大体「ラスト」ってどれさ?
ゴラク版『バイオレンス・ジャック』?
『デビルマンレディー』?
『マジン・サーガ』?

もうそろそろ、作者永井豪も含めて
『デビルマン』という作品はそっと
しておいて欲しいなぁ。

『デビルマン』の壮絶なラストは
打ち切りへの紆余曲折の結果、
という事は永井豪自身が『檄マン!』
で描いているが、それを頭に入れて
読み返すと中々ケッタイな作品だった、
という事も分かって来た。

何より「凄い」と思ったのは、
作中でのデビルマン不動明の戦いの
扱い。
全くカタルシスの無いものばかりなのだ。

全5巻、なので致し方ないが、
キッチリデビルマンとして戦い
決着まで描かれたのは二回のみという
アストロ球団みたいなのはともかく、
全戦績を眺めても残るのは苦さばかり、
という辺りは逆に現代的なのだろうか?

試みに振り返って見る。

第1戦 飛鳥邸での初のデーモン化して
の戦闘・・・詳細不明。暴走して了を
殺しかける。

第2戦 シレーヌ戦・・・最もキチンと
戦われ、文句無しの傑作だが、決着的には
相打ち。

第3戦 ジンメン戦・・・こちらもキチンと
戦われ、キッチリ勝った「唯一の」戦闘だが
後味の苦さも強烈。

第4戦 妙な蜘蛛戦・・・『デビルマン』
史上最も要らないエピソードだと
思う。不良グループと仲良くなった
事くらい。

第5戦・・・サイコジェニー戦。デーモン
総攻撃の際に雑魚は何匹も倒したみたい
だが、結果的に精神攻撃で敗北。しかも
格好良く変身した直後の敗北なんで、
結果的に良い処無し。

第6戦 サタン戦 敗北。

他にも悪魔狩りの審問官焼き払ったり
牧村家を襲った暴徒を皆殺しにしたり
したけど、戦闘にはカウントしない。

つくづく、「カタルシスを避ける」ように
作られた作品なんだな、と分かる。
そして、戦闘で得られないが、
最後に読者が感じられるカタルシスが
「人類滅亡」という辺りの凄さも
破格なんだろう。

個人的には、『デビルマン』という作品は
壮絶で壮大な失敗作、なんだと思う。
永井豪のやりたかった事は半分も
出来ていない筈だ(故に、頻々と手が
加えられ、続編が描かれる)。

だがもし、連載が全うされ、
永井豪の意図が全て達成された時、
その『デビルマン』が今のように
人の記憶に残るものとなったかは、
誰にも分からない。

創作の妙と云えよう。

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コメント

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