mixiユーザー(id:1397418)

2017年03月09日00:47

276 view

仕事の極意

仕事の話である。
齢45歳にして、まだまだのびしろがあると感じる。昔は、僕らシステム屋稼業は40歳限界説が出ていて、40歳以降は頑張っても伸びない、と言われていた。
だけど、自分が40半ばを迎えて思うのは、この年代のほうがいろいろ吸収できるじゃん!ということだ。
だいたいが、技術面での衰えが出てくるから、いい年になったらマネジメントの方面へ行けと言われてきたが、僕はマネジメントが大の苦手。一時期、マネジメントをやった時は気が狂いそうになったが、周囲に宣言して、技術でやっていくようにしてからが、よりいろんなものが見えてくる。
もちろん、若くして優れている人はいっぱいいる。彼らの技術力や吸収力には太刀打ちできないし、そんな彼らも高水準な技術を保持しつつ、年齢がくればマネジメントへと役割をスライドさせていくのだろう。
僕はもともと、デキはいいほうではないし、だからこそ、潜在的なのびしろもいっぱいあったのだろうと思う。しかし、そういう性質の人間だからこそ現場にい続けることで、新たな可能性が出てくるのかもしれない。
そして、いろんなことを客観的に冷静に見られる年代になって、さらに吸収力が高まったのだろうと思う。
今、人のやっていることを傍でじっくり観察している。観察した結果、その人の技術をいつのまにか盗んでいる。これは、職人の世界であれば、小僧といわれる若造の頃にやっていくことなんだろうが、僕は遅ればせながらそれをやっているわけだ、

この客観的に冷静にみれるというのは、今の自分を支えている大きな武器となっているのだが、逆の言い方をすれば物事に動じなくなっているということだろう。
つまり、いい意味で力が抜けているのだ。
今の現場は、某大手民間企業の約200人のメンバーを擁する大プロジェクトで、僕はそこに参画して1年3ヶ月程度になる。そういうプロジェクトだからこそありがちな、高稼働、朝令暮改、理不尽な責任転嫁、から、メンバーの逃走・離脱、出来ない人間のいじめ・中傷、出来る人間へのねたみやっかみ、無益な会社間の争い、金銭トラブルまでいろんな難題が降ってくるんだが、不思議と僕は常に冷静で、惑わされず、怒らず、理不尽なことは理不尽だと言い、激務にもめげず、勘所を押さえ、気がつけば中心的な位置にいる。
こういうのって若い頃は出来なかったなあ・・としみじみ感じてたりする。

その極意は、と問われれば、
「自分の仕事をキチっと定義すること」
である。

これ、簡単なようで意外と難しいんだが、様々な現場を渡り歩いてきて身につけた極意でもある。
もう少し補足すると、仕事には、ある役割が与えられる。その現場のマネージャーだとか、チームリーダーだとかに、やることを指示されるわけだが、その仕事に対して、何にも優先して邁進することである。
これを実行するのが困難な理由は、仕事は日々、飛び込みの作業などが入ってくるためだ。朝令暮改などにより、やっていたことを全て無にされることもある、
そういう要素を全て排斥し、「一旦与えられた仕事は、何が何でもやる」という意識を持つこと。
ここがブレる人は、他人から別のことを頼まれると断らずに引き受けてしまったりして、本来の自分の仕事を疎かにしているのである。あるいは、やり方や方法論について、複数の人に違ったことを言われると、そこで混乱してしまう。そういう人の言い訳のほとんどが、「○○さんにこう言われたのに、△△さんにこう言われておかしくなった」。
これじゃあダメなんだよねー
誰に何いわれようが、自分で確立した方法論は簡単には曲げない。
その過程では、いろんな人の意見は聞くのはいい。そのうち、自分が「それはいいな」と納得するものは取り込んでいく。が、そうして、一度自分でやり方を確立したら、他人の言葉には絶対に翻弄されないこと。
「私の仕事はこれです。こういうやり方でやります」
ということを、いつ誰に聞かれても即答できる状態が望ましい。
その結果、失敗したら、それはそれでもいいの。その時は、「一所懸命やりましたが失敗しました!」と胸を張って言えばいいだけの話で、卑屈になる必要もなければ謝る必要もない。
そのくらいの自信をもって仕事に望むと、自ずと他人も、自分を信用するようになるし、信用されれば、関係も良好になり、人間関係の悩みも減る。
職場の人間関係で悩む人の話は良く聞くが、解決は単純で、「自信をもって仕事を成就させる」ことで、人間関係の悩みなんか消えてしまう。
もちろん、心無い陰口や批判、中傷をしてくる人はいる。何をやったってそういう奴は出てくる。が、それこそそんな奴ほっとけばいい。そんな声も、困難な仕事を達成するために集中している時には聞こえなくなる。
でまあ、昔と違うのが、そういうことを力まず、極自然体で出来るのだ。いい意味で、いつも力が抜けていて脱力した状態になっている。脱力というのは、ただ単にボケーっと何も考えている状態ではなくて、どのような力が加わっても、うまく逃したり吸収したり出来る状態。道教でいうところの、「変幻自在に対応できる水」のようなイメージか。

あれもやりこれもやり、っていう超人は確かにいるし、社会はそういう人を求めているのも事実なんだけど、そんな人間、せいぜい10人に1人くらいじゃんか?いや100人に1人とは言わないまでも、それに近いくらいしかいない。
そういう人を社会は求めるんだけど、それと「自分がそうなれる」というのは全く違っていて、自分がその1人になれる素質があるという可能性のほうがはるかに低い。
だから、自分に出来ることを、最大限にやるしかない。そのため、仕事を絞り込む必要がある。
僕であれば、冒頭で言ったように、マネジメント=人・モノ・金の管理が大の苦手だ。なので、それをやってくれるように要請されても「できません」と断る。
人なれはしているので、コミュニケーション能力はさほど低くない。同社内で、最も他社と接点を持っているのは僕だと思うし、その人脈は大いに自分の所属チームに役立たせている。そのため、「リーダーをやりメンバーを管理できるんじゃないか」と思われる節はあるが、実際そんなことをやったら多分、他社とうまくやっているコミュニケーションスキルも撲滅するのは容易に想像がつく。そのように言って、オファーがあっても断る。
僕は所詮、ちょっと歳いった現場作業員で若造より多少は世渡りがうまく度胸がある、程度の役割がちょうどいい。
現場の視点から上に文句言っているほうがはるかにラクだもの。

今は何となくだけど、僕なりのレベルで、仕事の成熟期かもしれないね。
1年1年、仕事がもらえるように、日々研鑽していくしかない。んで、年末になって「あー今年も何とか生き延びた」と家族と酒を飲んでいる時が一番幸せだ。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2017年03月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 

最近の日記

もっと見る