目の疲れを感じて読んでいた本を閉じ、顔を上げると、宙に浮く黒い小さな物体があった。
あー、なんか遠近感が狂ってるな…。思いのほか疲れてるのか…。
だが、視力も遠近感も正常だった。
実際、そこには黒いものが浮いていたのだ。
よく見れば、それはハエトリグモだった。
ハエトリグモ。民家でよく見られる、ぴょんぴょん飛び跳ねる小さなクモ。
巣を作らず、俳諧してハエやゴキブリの幼生などを捕食する。
巣は張らないが、命綱代わりに糸を使う。
上を見ると照明器具がある。そこから落ちてきたらしい。
命綱にぶら下がるように、宙に留まっていた。
これから上へ行くのか、下へ降りるのか。
動向を見守っていたが、ピクリともしない。
死んでる…?
軽く指で触れると、乗り移ってきた。
生きてたか。この時期はエサが少ないから元気がないのかもしれない。
ついでなので床に降ろしてやる。巡回ご苦労さん。
う〜ん、っと伸びをして本の続きを読んだ。
ログインしてコメントを確認・投稿する