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2017年03月03日20:22

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厳冬期単独行流葉山

流葉山へ登る。

早朝8時に家を出る。
仕事を調整して3連休に。
現地の駐車場へ着くのが10時過ぎ。
装備を確かめ、一歩ずつ足を進める。
高地順応は十分とは言い難いが好天は今日まで。
明日には強力な低気圧を迎えるため、今がギリギリのタイミングだ。
しかしながら10mほど歩くと突然の吹雪。
一瞬のホワイアウトの後、方角を見失う。
顔のわずかな露出を手で覆い凍傷の危険を避ける。
ここは人の侵入を拒む土地、試される大地。

少しずつ、ゆっくりと高度を稼ぐ。
ふと横の川をみると対岸で水が泡立ち材木が回っている。
雪崩だ。沢筋に茶色い崩落の跡が残る。
こちら側だったらと思いぞっとする。
5合目で小休止。
酸素が薄く、わずかの運動で息が切れる。
平地の1/3の酸素量。順化に5分休息。
ふと上を見上げると厚い雲から、氷粒が降り落ちる。
これから突入。覚悟を決める。
雪の状態を確認しながら足を進める。

7合目まで来ると雪庇が目立ち始める。
3mほどの積雪が斜面で割れてクレパスになり、
そこに雪が張り出す。
踏み抜けば終わり。
単独行につき救助は望めなく、もっとも誰かいても助けることは
能わないであろう。

ようやく9合目。
気が付くと雲を抜けており快晴が広がる。
遠く八ヶ岳が見えるが、富士山には霞がかかり視認は不可。
吹き続ける風は強く、体感温度は−30度を下回る。
通常の冬山装備では5分と持たないであろう。

9.5合目
ここで乗り継いだ2本目のリフトを降りる。
目指す山頂はすぐそこ。
最後の5mは自分の足で登る。
スキーの板を履いているため雪が足に絡む。
2分ほどで山頂。
ここより高いところは無い。
再び吹雪のため、滞在は5分ほど。
写真を撮る手が凍える。

板の向きを変え、滑り出す。
下の駐車場まで10分ほど。
それからまた山頂へ向かう。
以下、10回の繰り返し。

昨日、新田次郎、孤高の人を 読みました。




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