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2017年02月23日01:07

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遠い日のスクリーン

視覚障害高齢者の方のデイサービスにうかがい、音声解説付き体験上映を
させていただいた。作品は吉永小百合さん主演の青春もの。音声解説自体が
初めてという方がほとんどだが、映画が始まると音声解説なんてどうでも
いいくらい映画に集中されているのがわかる。もちろん主題歌で歌い出される
方もいたりする。楽しい。映画はこういう風に見なくちゃ。

映画が終わっても、ストーリーはどうでもいいようだ。懐かしい名優の声が、
笑顔を誘う。
 「高橋英樹、若いわね」「南田洋子ってあんなに声が高かったっけ?」
「若いから声に張りがあるのよ」と盛り上がることひとしきり。

 「昭和38年の映画ですよ」とお教えすると、
「あら、私が中学時代ね」
「あら、あなた中学だったの?私は川崎にお嫁に来た年よ」
などと又ひとしきり。
 さらに「群馬には映画館なんてなかった」「映画は外にスクリーンはって」
「そうそう、体育館とか」「フィルム持って巡回する業者がいたんだよ」

うーん、「風にはためく映画」の思い出は、誰でも強烈なんだなあ。
私も団地の集会場前の広場で「鉄道員」や「せむしの仔馬」なんかを見た
記憶が忘れられない。

 さらにさらに「馬喰一代」とかいえば「三国連太郎さんですね」、
「ビルマの竪琴」といわれれば「安井昌二さんですね」、「誰だっけ、
あの西遊記の、白血病で死んじゃった人」「夏目雅子さんですね」と、
記憶の引き出しのお手伝い。
映画検定2級の実力が世間のお役にたっているのがうれしい(笑)

映画を語る皆さんの目の輝き、光を失った目にあの日のスクリーンが
写っている。美しい。
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