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2017年02月21日20:22

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植物多様性センターの講演会

　午後、神代植物講演植物多様性センターにて、東邦大学の西廣淳先生の講演会「埋土種子を利用した水生植物の保全について（タネ生態学入門）」が開催さました。
　主な内容は
１．植物にとって種子とは
２．種子の分散
３．種子の休眠と発芽
４．埋土種子の役割
５．埋土種子を活用した自然再生　

　でした。
　自分では、移動できない植物にとって、種子を分散させることは種の保存上大変重要である。様々な種子分散の方法があるが、種子を分散させることの意義として、３つの仮説の説明があった。①「逃避仮説」熱帯のように密度が高い土地では、密度依存性（例えば親木の近くに落ちた種子は食べられやすい）がある天敵が現れ、親から離れたほうが生きのびやすい、②「指向性仮説」アリに散布される種では生育に適した場所に到達しやすい、③「移住仮説」カワラノギクのように攪乱地に生きる種では生育に適した場所が変化しても存続できるとの３つの仮説であるが、興味があった。

　発芽とは、厳密に言うと、根（幼根）を出すことで、実生が発生する事ではないと教えられた。発芽は、はじめると止められない過程で、いつ・どこで開始するかが重要である。そのために、選んで発芽する仕組みとして休眠がある。昼夜の温度差、光の量と質が主要な休眠解除の条件となる。小貝川河畔の例では、火入れによって春の温度の日変化が大きくなり、様々な植物の発芽が促進された。

　埋土種子集団（土壌シードバンク）には、種子が休眠している。そこでは、５０年ほどは生きている種子があり、数は少ないが、発芽（再生）の可能性が残されているそうだ。事実、イノガシラフラスコモは１９６０年代に消失したが、昨年見事に、井の頭池にて復活しました。