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2017年01月29日22:39

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映画「マグニフィセント・セブン」

今日の朝にMOVIX堺で鑑賞。
あの名作のリメイクの更にリメイクしたこの西部劇。

デンゼル・ワシントン クリス・プラット イーサン・ホーク 
ビンセント・ドノフリオ イ・ビョンホン マヌエル・ガルシア=ルルフォ マーティン・センズメアー
「マグニフィセント・セブン」The Magnificent Seven

小さな町ローズ・クリークの人々は日々、悪徳実業家ボーグの暴虐に苦しめられていた。
夫をボーグ一味に殺されたエマは、ボーグを倒すために賞金稼ぎのサムを始めとする七人のアウトローを雇う。


この映画はリメイクに次ぐリメイク作品。
元はと言えば黒澤明監督の「七人の侍」
それを侍からガンマンに置き換えてアレンジして「荒野の七人」
そして何十年も立ってからのリメイク。

「七人の侍」と「荒野の七人」は本作に備え改めて鑑賞。
「七人の侍」はもう時代劇では最大の傑作であってスケールの大きい名作。
3時間越えの長時間を感じさせずに一気に観てしまう痛快大活劇である。
また「荒野の七人」は「七人の侍」の魂を見事に受け継ぎ西部劇として見事にアレンジした名作。
両作品とも今でもずっと語り継がれてるほど。

ちなみに、
「荒野の七人」は続編があと3本もある。
これは正直言うと比べ物にならないくらい毎作ごとに落ちて行ってるし、昔テレビで観た事はあるが殆ど印象に残ってないほど。

実は違う路線でリメイクしたものもあった。
宇宙を舞台にしたSF「宇宙の七人」(1980)
これは傑作!
私は公開当時に観に行きましたよ(当時の200円パンフレットはいまだに持ってる)
当時はスターウォーズの影響もあり、馬ではなく宇宙船に乗るし、七人のキャラも人間タイプだけでなくエイリアンもいるし、女性キャラもいる。
そう、「荒野の七人」に出てたロバート・ヴォーンもまたメンバーにいるのもポイント。
宇宙に置き換えたただけで基本的なあらすじは同じ。

また七人物で好きなのは、
「地獄の七人」(1984)
戦争物にアレンジした隠れた傑作。
これも公開当時に観に行った。
リメイクといった内容ではないが、作品の魂は共通する。
これはまさに「男泣き」映画の傑作で映画館で泣いた覚えがある。

以上は番外編ですが、
「七人の侍」、「荒野の七人」、そして「マグニフィセント・セブン」
ちょっとね、この邦題は何とか出来なかったものか。
「荒野の七人」の原題をそのまんまカタカナ表記しただけだし…
せめて何とかの七人とか、何か「七人」と付く日本語にすべき。
配給会社は手を抜きすぎ。
とこれはあくまでも邦題に対することだけで、
内容はどうだったかと言うと…



最高に面白かった!




思ってた以上に素晴らしい出来だ!
「七人の侍」「荒野の七人」の魂を受け継いだ作品として認定したい。

やはり、さすがはアントワン・フークア!

私の好きな監督の1人でもある。
前作は去年拝見した「サウスポー」は良かったし、
その前々作はその年のマイベスト1位に選んだ「イコライザー」
その「イコライザー」でも組んだデンゼル・ワシントンがまた主演となると、
これは絶対必見ものだった。
ある程度は期待はしてたが見終わると、期待以上だった。

ストーリーはもうオリジナルと同じ。
単純明快、勧善懲悪。
前にも書きましたが、

アクション映画はストーリーは単純でもキャラに魅力があれば充分面白い

まさにこれが当てはまる!
今回も七人の各キャラに魅力があって良かったよ。
また悪役のボスも本当に憎たらしいほど立ってるし。

リメイク作品といえば、オリジナルと比べられ批判的な見方をされるし、
前2作がもはや名作となってるだけに、かなりハードルが高いリメイクだと思う。
良いリメイクとは?
私が思うに、オリジナルの精神を受けつつも「私が作るならこうする」というアレンジ、良い意味での変更した部分もあるべきと思う。
そういう点においては今回の作品は充分合格点。

アクションは負けじ劣らずと言うか、かなりクオリティが高い。
この七人映画の魅力は、特にクライマックスの大活劇!
フークア監督は「イコライザー」でもセンスのあるアクション演出を見せてただけの事はある。
どのアクションも迫力もあるし、時折ある監督独特の「間」、この緊張感のある「間」の演出がここでも充分生かされてる。
またよく考えてるのは、敵が多勢といえ七人が強すぎるので敵側に出てきたのが、

ガトリング銃

西部劇ではガトリング銃は無双兵器。
これが敵側だったらと思うと、本当に恐ろしくてこの盛り上がりも良い。
それに対処するクリス・プラットの活躍がまた良いんだわ!
ネタバレになるから書きませんが、このシーンも心憎い「間」の演出を見せてくれる。
これは絶対文句なしなんで是非観てほしい。


それとキャラ描写。
これはよく描かれてる。
当然、オリジナルと同様に戦死する者も続々出てくる。
この悲壮感が堪らない。
私が「ローグ・ワン」(好きな人はごめん)にイマイチ乗れなかったのがこれである。
やっぱし、アクションも大事だがキャラ描写があってこそと思う。
今回は人種的にも今までと違う。
黒人、白人、アジア人、メキシカンにネイティブと幅広い。
逆にそこも良かったと思うし、気難しい人種間も無いのもいい。
監督が黒人監督なのもあると思う。

この映画の魅力って、オリジナルからそうだけど関係の無い七人が共に戦う事によって生まれる
友情というか絆というか、それは「七人の侍」「荒野の七人」から受け継がれている。

音楽がいい♪
クレジットにはジェームズ・ホーナーとサイモン・フラングレンではあるが、
曲は今は亡きジェームズ・ホーナーが最後に書き下ろしたものをサイモン・フラングレンが構成したとの事。
ホーナーと言えば映画音楽の名作曲家。スタートレックシリーズやジェームズ・キャメロン監督作品などで知られる。また先にも書いた「宇宙の七人」も偶然にもこの人が担当してた。
「荒野の七人」のエルマー・バーンスタインの曲風を象徴した良い劇伴だった。
エンドクレジットにはその「荒野の七人」のテーマが流れる。

ラストはベタなんだけど、泣かせる。
あの墓標がオリジナルの「七人の侍」からの精神を受け継いでるし、その後にあの曲が流れたから、もう感動物だった。


何よりもキャストです!

七人のキャラ設定はオリジナルから共通する者もいれば、部分的にあのキャラかな?と思う者や新たに設定した所もあるし、そこがまたいい。

サム役のデンゼル・ワシントン
同監督の「イコライザー」でのデンゼルに痺れたが今回もカッコイイ!
このリーダーであるサムは間違いなく、勘兵衛にクリスから受け継ぐキャラ(志村喬、ユル・ブリンナーからデンゼルへ)
このキャラが何故ここまでして村人を救おうとしたか、実は真の目的があったのが今までになかった新たな点。
今回、ラスボス対決に力を入れてるのもそうである。
このシーンがデンゼルだけに、「イコライザー」のクライマックスのホームセンターでのラスボス対決(幹部だけど一応本編のラスボス)と演出といい構図がよく似てる!

ジョシュ役のクリス・プラット
このキャラが特に光ってたかもしれない。
キャラ的にはマックィーンのヴィンかなと思いきや、コメディリリーフ的にブッフホルツのチコに三船の菊千代ぽい。
クリス・プラットは今年この後に2本の主演作が公開するのも楽しみだ。

グッドナイト役のイーサン・ホーク
イーサン・ホークはイイ役者だね!
このキャラはヴォーンのリーに近いかな(最初中々銃を向けられない点で)
ここにイーサンをキャスティングしたのがいいのです。
かつて、フークア監督が最初に注目された「トレーニングデイ」にデンゼルと共に出ていた点。
デンゼルとイーサンが並ぶとおおっとなりましたよ。

ジャック役のビンセント・ドノフリオ
これが雰囲気からして、平八、ベルナルドか?薪割りシーンは入れて欲しかった。
そういえば、ドノフリオはプラットと「ジュラシックワールド」で共演してました(敵対してたけど)
今回のドノフリオのキャラが、あの微笑デブを髣髴させる!!
そう、「フルメタル・ジャケット」の微笑デブのいっちゃってる感があってまたいい。

ビリー役のイ・ビョンホン
このキャラは間違いなく、久蔵とブリットのポジション。
このキャラだけは、侍に荒野と一貫して変わらないのが良い。
最近はハリウッド映画にはよく出るビョンホン、今回はイーサンとの相棒関係がまた実に良かったです。

バスケス役のマヌエル・ガルシア=ルルフォ
このキャラは元にない新設定か?
メキシカンの彼ですが、初めて見る役者のようですがまた良いキャラ感を出していた。

レッドハーベスト役のマーティン・センズメアー
ネイティブアメリカンのキャラでまた独特だった。
野生的な部分で菊千代の要素を感じさせるキャラだと思う。

エマ役のヘイリー・ベネット
七人への依頼主だが今回は女性に変わってる。
彼女と言えば、去年「ガール・オン・ザ・トレイン」で拝見、「イコライザー」では敵に絞め殺される娼婦役と不思議と印象に残る。
侍も荒野も恋愛要素あったから、もしかして彼女が?と思ったらありそうでなかった。
逆にそこが返って良かったと思う。

ボーグ役のピーター・サースガード
敵ボスで、荒野でのカルベラのポジションでしょう。
今回は前2作より、悪役でもこのボスがより描かれてる。
彼は「フライトプラン」や「グリーンランタン」でも悪役を演じてるけど、
今回は本当に見るからに外道過ぎて憎たらしかったわ(笑)
これがまたデンゼルとの対決に生きていく訳です。


去年、西部劇は2本観れましたが、毎年劇場で観たい。
今回は本当に西部劇の王道過ぎて素敵です。
リメイク作品としたら、まさに良い見本である。
私には思いもよらぬ最高の出来で、今年のベスト作品候補に入れたいほど良かった!
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