1960年代までの映画音声だそうです。
上は1938年の映画館での標準特性(アカデミー・カーブ)
これは右:Altec 1218モニターの実際の周波数特性だそうです。
1930年代の上のアカデミー・カーブが当時の映画館の音響特性の規格として知られます。
AltecのVOTTでは高域用288ドライバーが既にロールオフする特性になっていて、スタジオ用の604スピーカーとの違いが明らかに出ています。
(これが家庭用としてA5を使うのに難しくなる理由)
しかしこの点を踏まえても当時は音響に関するスタンダードな考え方に多少のバラツキがあったと考えるべきだと思います。
こうした配給元の音調の違いは1960年代まで続きますが、1970年代からは光学録音にドルビーNRが用いられるようになり、こうした問題はあまり無くなりました。
1950年代後半から磁気テープでのマルチトラック編集が一般化してから、磁気テープを使ったシネテープが用いられた時期がありました。
セリフ、音楽、効果音の3トラックを備えた立派なマルチトラックです。
しかし映画館では繰り返し使う際に磁気膜が剥がれやすい欠点があったため、シネテープはもっぱら放送業界で使われるようになります。
光学録音帯には効果的に音を詰め込む職人的な技術が要るらしく、今ではてっきり名人芸の域になりジプリ作品には光学録音の技師さんの名がクレジットされてます。
RCAの1958年のメンテナンス・マニュアルのころの資料のようです。
4chに伴い、アンプの特性の高域と低域を加減し、(5000Hz以上の)高域のフィルム雑音や、低音に含まれる衝撃音や混変調ノイズ、外来ノイズを抑えたりする必要があります。
もしもアンプに高域や低域の補正装置が取付けられている場合、(例えばMI-9335のような場合)これらは使用すべきです。もしなければ、外付けのフィルターをプリアンプとパワーアンプの間の回路に含めるか挟むべきです。フィルターは以下のようにすべきです。
60Hz以下と5000Hz以上の音をとにかくカット。
ここで注目すべきなのは最新の4ch再生に対応しきれない映画館が多かったこと、その際には再生周波数を50〜5000Hz程度に抑えることがあったそうです。
これではもはやAM放送レベルの音質ですね。
こちらはRCA PG-138システム(1939)における中高域の持ち上がった特性
こちはWestrex社のCCD光学ヘッドの録音-再生特性
現在のXカーブ(ISO2969) 典型的なカマボコ型
フィルムではなく、映画館へデジタル配信時代はどうなのか引き続き調査が必要かもしれませんが、いずれにしても現代レベルではかなり狭帯域であるということですね。
FM放送の20−15KHzまではせめてフラットな特性すら確保されていないようです。
映画館でのライブ中継などの音質が悪い理由の一つかもしれません。
詳しくはグラフら引用先のこちらに詳しいです。
http://quwa.fc2web.com/Audio-03.htm
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