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2016年12月22日14:36

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「心神」に自衛官ピリピリ、稲田朋美防衛相ニッコリ 機密の塊、「先進技術実証機」X2

 下記は、2016.12.21 付の産経ニュース【防衛最前線(101)】です。

                     記

 「インテークは絶対に撮影しないでください。格納庫も奥行きが分からないように撮影してください」

 12月2日、航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)で記者団を迎え入れた自衛官は、厳しい表情で告げた。

 この日は稲田朋美防衛相が国産初のステルス戦闘機「先進技術実証機」(正式名称・X2)を視察した。報道陣にも同機が公開されたが、自衛隊関係者には緊張感が漂っていた。

 インテークとは空気取り入れ口。電波吸収材を使用することでエンジンが電波を反射するのを抑制する。格納庫は全体像が明らかになれば強度などが分かるため、攻撃に対して脆弱になる恐れがある。X2は機密の塊で、報道陣への公開も細心の注意が払われた。

 通称「心神」。平成22年から三菱重工業など国内企業が開発に着手し、今年6月に防衛装備庁に引き渡された。飛行試験はすでに始まっており、約50回の飛行を経て敵のレーダーに映りにくくするステルス性や、小さい旋回半径で飛び回る高運動性などを確認する。 

 ステルス性を実現するのはインテークだけではない。敵レーダーの電波反射を抑えたり方向をそらす外板接合や機体形状、コックピット内からの電波の乱反射を防ぐキャノピーなど、日本企業の技術の粋が集められた。高運動性を支えるのは、推力偏向パドルや、推力制御と飛行制御を統合したエンジンだ。燃料装置の小型化や炭素繊維強化プラスチックの使用による軽量化も高運動性に寄与する。

 稲田氏は杉山良行航空幕僚長、渡辺秀明防衛装備庁長官らから、こうした心神の特性について説明を受け、コックピットに乗り込み満足そうな笑顔を見せた。

 ただ、心神はあくまで先進技術を実証するための試作機で、そのまま日本の防空を担うわけではない。次期戦闘機を国産開発するのか、国際共同開発に参加するのか−。防衛省は心神のデータを基に30年度までに判断を下す方針だ。

 「将来戦闘機をわが国独自で開発するという選択肢を与えるための非常に重要な取り組みだ」

 稲田氏は視察後、記者団にこう強調した。国産ステルス戦闘機の開発は防衛省の悲願ともいえる。1980年代には次期支援戦闘機(FSX)選定をめぐり、米国の圧力でF2戦闘機の共同開発を余儀なくされた経緯もある。

 ただ、稲田氏は「国際共同開発する良さもある」と付け加えることも忘れなかった。最近の戦闘機開発は複数の国が技術を持ち寄るのが主流で、空自が導入する最新鋭ステルス戦闘機F35も米国、英国、オランダ、イタリアなど9カ国が開発に参加している。政府が26年4月に閣議決定した防衛装備移転三原則で広範な防衛装備協力を可能としたのもこのためだ。

 国際共同開発に参加しても、心神開発が無駄に終わってしまうわけではない。

 防衛省関係者は「航空機開発では、エンジンや機体を1つの戦闘機としてインテグレート(統合)する技術が最も重要。これがなければ国際共同開発でも脇役に甘んじることになる」と明かす。防衛省は、心神開発により「対外的なバーゲニング・パワー(交渉力)の向上も期待できる」と意気込んでいる。(杉本康士)
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 http://www.sankei.com/premium/news/161221/prm1612210006-n1.html
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