mixiユーザー(id:15845955)

2016年12月20日20:14

176 view

はな子さんに捧ぐ

太い足で
いつも前に進んでいた
前に進むつもりで
交互に足踏みしていた
ひとりぼっちで
時には鎖につながれて
足の裏に感じるのは
コンクリートの床ではなく
きっと豊かな故郷の土の記憶
奥深な瞳に映るのは
いつか見た巨大な夕焼けの記憶
あなたが一生に踏んだその数だけ
前に前に進めていたなら
いつか生まれ故郷に到達していただろうか
天に帰った今
その歩数もあなたに帰っていればと思う
仲間には会えた?
鼻で挨拶できた?
あなたに手を振った回数
名前を呼んだ回数
お弁当を食べながら見つめた回数
かわいいねえといった回数だけ
ごめんなさい
あなたが見えなくなった今
その魂がはるかな故郷の
紅に染まる風景の中にあることを願う




フォト





(2016年5月26日に死んだ井の頭自然文化園の象のはな子に捧げます)
5 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2016年12月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031