こうの史代原作の映画、『この世界の片隅に』を観てきました。
こうのさんの原作漫画、大好きなのです。
第二次世界大戦中の広島県呉市が主な舞台なのですが、当時の呉は軍艦を作っていた工業都市で戦艦大和もここで製造されました。
主人公のすずが嫁いできた先の義父さんも軍需産業の工場で働いているのですが、旦那のお母さんの台詞で印象的だったのが、第一次世界大戦が終わって軍縮になってしまい多くの呉市民が失業して嘆いたが今はあのころが懐かしい、というものでした。
原発もそうですが一度産業として始めてしまうと、それで飯を食う人たちが発生してしまうのでそう簡単にはやめられない。
話を戻して、映画はこうのさんの漫画の空気がそのまま動き出したような素晴らしい出来でした。
ただ、ひとつだけ言いたいのはどうして座敷童子=白木リンの挿話を中盤以降ばっさりカットしてしまったの?
リンは、「誰でも何かが足りんくらいで この世界に居場所はそうそう無うなりゃせんよ」と、作品のタイトルに深く関わる話をすずにするキーパーソンなのに…。
尺が足りないなら、日常のコメディシーン(秀逸でしたが)を15分削ってでも収めて欲しかったなあ。
いや、これはDVD、BD発売の時に追加されて、完全盤を再上映するための布石なんだ、きっと!
(そう信じたい、うう)。
それ以外は本当に見事でしたので、一層悔やまれます。
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