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2016年12月03日01:48

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愛と欲望の勘違い

女性に多いんだけど、「愛」という言葉を乱発する人がいる。
その場合の「愛」というのは、必ず男女の愛を指すのだが、独身女性が昔よりも格段に増えてきた昨今、例えば彼氏と別れたことを「愛に裏切られた」などとシャーシャーとのたまわったりする。
僕は、そういう表現には、物凄く違和感を覚えるのだが、「愛」なる観念とはそんなに安っちいものなのだろうか?これでは愛のバーゲンセールだ。
言葉なんてのは、所詮どう定義するか、なんだろうから、ただ「セックスしたい」というのが即ち「愛」だ、と考える人がいてもいい。
がしかし、世の中を、安物の世界にしたくないなら、ここら辺の定義は、もう少し慎重にしたいところである。

そうはいいつつ、今、手元に資料を置いて述べているわけじゃなく、かつての聞きかじり読みかじりのうろ覚えで述べていくので大変恐縮ですが、
もともと日本には愛の概念はなかったという。
日本に愛の概念が入り込んだのは、明治時代の西洋化の流れとともに、キリスト教文化の最重要定義の愛という言葉が滑り込んできた。
であるから、もともとはキリスト教文化の観念でしかないのだろう。
神と同じで、日本人の文化からすれば、微妙に違いがあるんだろうけど、「あえて言えばGODは神だろう」といった具合に、無理やり日本文化に溶け込ませたんだと思われる。
ある対象を著しくめでる感情などを愛というのであれば、異性を激しく求める性欲もまた、愛となるのかもしれない。
愛欲なんていう言葉もあるが、これは完全に日本のオリジナルな言葉だろう。
でもって、幅広くみていくと、「家族愛」「人類愛」「愛校心」「愛国心」など、壮大な範囲に適応しているのも愛。
ここまで来ると、愛という観念は、しばしば自己犠牲を伴う壮絶なものとなってくる。
僕としては、そこまで壮大なものであるが故、軽々しく「愛」なんて言えないと思っている。ひとつ家族愛をとってみても、「家族を守るために死ぬる覚悟があるか」くらいの苛烈な精神が根底にある。そうなると、軽々しく語れるものではない。

で、よくある男女の恋人関係、不倫関係なんかみていると、二言目には「愛だ愛だ」いう奴がいるけど、僕は単なる「欲望」といったほうが適当だと思っている。
異性と付き合ってはすぐに別れる輩なんかの話を聞いていると、だいたい別れる原因というのが、自分勝手な思いや行いに起因している。しかも、ほとんどの人が、自分にもかなりの比重で原因があるにも関わらず、相手のせいにしていたりする。
これなんか、到底、「愛」なんていいがたい。「愛が冷めた」なんて言われると、なんて低脳なんだこの人は!くらい思ってしまう。
愛というからには、ある部分は自己犠牲をしてまで相手を取り込むくらいの覚悟がいるので、自分勝手な欲望をある程度抑制するくらいのエネルギーは当然いるはず。
その欲望を抑制すること自体が「自分を束縛する悪」と思っているなら、なおのことその人は、一生、愛には辿り着かないだろう。
不倫関係なんかもそうだ。
よくあるケースとして、何年も家庭を営んできた人が、ある時急に、自分の感情を大いにくすぐるような異性に出会ってしまい、そして運がいいことに、その人と肉体関係を持ってしまった!家庭内ではもはや異性として見られず、色気も何にもない退屈な日常が繰りかえされているだけだったのが、急に、自分が異性として認められ、忘れていた情熱的な性欲が湧き起こった!
そこに発生するのが、「勘違いの愛」である。
本気で、私は彼(彼女)のことを愛してしまった。彼(彼女)を自分のものに出来るのであれば、今ある家庭は捨ててもいい。私の人生だ、私が思うままに生きるのが正しいんだ、って思いがエスカレートしてしまう。
しかし、よく考えてみてほしい。
今まさに、タイムリーでそんな相手がいる、なんていう人は特に。
はっきり言って、貴方は「やりたいだけ」なのです。
目の前の異性を利用して、自分の中に眠っている性欲を吐き出したい!実はそれしかないのです。それはいわば瞬間の欲望。
それを正当化するために、本当の「愛」を見つけたのだ!と勘違いすることは、単なる自己欺瞞であり、非常に危険だ。
仮に貴方のところに年頃のお子さんがいたとしたら、そんなたいしたことない瞬間の欲望を晴らことは、自分の子供の心に一生残る陰を、または離婚による貧困生活を強いることと天秤にかけるほど価値がありますか?
では、仮に、その瞬間の欲望が勝り、家族を捨てて、晴れて不倫相手と一緒になったとしよう。
そこからまた10年もすれば、お互いに異性としての意識も薄れ、再び退屈な日常が繰り返される可能性は、大きいと思いませんか?
さらに悪いことに、お互いに過去の贖罪を背負っているわけだから、もっと荒んだ心のまま一生を過ごすことになるでしょう。あるいはまた、同じように、他のパートナーを探して再び不倫関係を繰り返すか?
もはやそれは、色欲地獄ですな。

多分、そうやって「本当の愛」を求めて恋愛ゴッコを繰り返し、別れれば別れた理由を常に相手のせいにしていくという無間地獄に落ちた人には、「本当の愛」とやらは一生めぐってこないだろう。
愛だのなんだのって下らないこと考える暇があるんだったら、今ある自分の現状を受け入れそして、それをどう維持していくかを徹底的に考えることだ。
幸せは、そんなところにしかない。
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