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2016年11月26日13:10

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自衛隊は「歌舞伎」をするほどヒマなのか

 下記は、2016.11.26 付の プレジデントオンライン に寄稿した、部谷 直亮 氏の記事です。

                      記

 自衛隊はやることすべてが過剰に丁寧である。先日の陸上自衛隊の観閲式でも異常に丁寧な「野戦陣地」の作成が指示された。NHK大河ドラマ「真田丸」のオープニングの土壁や高級ケーキのように滑らかな断面で、小石ひとつない。現場の隊員に作成にかかった日数を聞けば、「実戦では半分の日数で作りますが、公開用に丁寧に作りました」とうんざりした様子。言わずもがなだが、野戦陣地は即席で作り、移動のたびに放棄するものだ。

 こうした無意味な努力は現場の隊員を疲弊させ、実戦的な訓練から遠ざけるだけである。実際、真面目な隊員ほど、総火演、観閲式、初降下訓練、基地祭等、戦技の向上に繋がらない広報活動に多大な訓練時間を費やすことに辟易し、実戦的な訓練ができないことに強い危機感を抱いている。しかも、こうした現状は米軍関係者からも強く批判されている。元海兵隊大佐のニューシャム氏は「自衛隊の過剰な広報活動は歌舞伎のようなショーにすぎず、日本国民を勘違いさせる無益なものだ。これにかかる時間と弾薬を実戦的なものに使うべし」と論陣を張っている。

 ニューシャム氏の指摘はまったく正しい。今や自衛隊は、普通科の幹部ですら年間1、2回の実弾射撃しか行っていない。訓練不足は特に中隊レベルの能力を深刻なところまで低下させている。これは先日の然別演習場での実弾誤射事件を見れば明らかであり、陸自内部でも戦闘能力低下への相当な危機感が醸成されている。

 もはや結論は明白だ。自衛隊が認知されず、実任務も少なく、海外からの関心も乏しかった頃の広報活動から、国際的な注目を浴び、むしろ期待されている今の時代の広報活動へとフェーズを移す必要がある。さらに、自衛隊の限界・課題等の実情が国民に理解されることも重要だ。今の自衛隊の広報は「自衛隊万能説」を高める側面が強く、政治家の多くもそれを真に受けている。このままでは、有事の際に政治家や世論の圧力によって自衛隊が能力的に不可能な作戦を強いられ、失敗して結果的にひどい扱いを受けることにもなりかねない。

 http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e8%87%aa%e8%a1%9b%e9%9a%8a%e3%81%af%e3%80%8c%e6%ad%8c%e8%88%9e%e4%bc%8e%e3%80%8d%e3%82%92%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%bb%e3%81%a9%e3%83%92%e3%83%9e%e3%81%aa%e3%81%ae%e3%81%8b/ar-AAkLKll?ocid=LENDHP#page=2
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