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2016年11月24日17:39

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“大統領を殺す国”韓国−自殺、暗殺、死刑判決…歴代大統領はなぜ悲惨な末路をたどるのか 映画「弁護人」が物語る

 下記は、2016.11.23 付の産経ニュース【メディア今昔】です。

                      記

 韓国の第16代、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(1946〜2009年)が、政治家になる前の半生を描いた韓国映画「弁護人」が公開されている。高校卒業後、独学で弁護士となり人権派として活躍。その後、政治家に転身し、大統領となるが、退任後、親族の不正疑惑が浮上、崖から飛び降り自殺する。韓国では退任後、自殺や暗殺、投獄−という悲惨な末路をたどる大統領が少なくない。なぜ韓国の大統領は栄枯盛衰を絵に描いたような人生を歩むのか? この映画はその謎を解く一つのヒントを与えてくれる。(戸津井康之)

朴槿恵大統領は…

 「実は彼は死去後も韓国で多くの国民から親しまれています。なぜそんなに人気が高いのか、この映画を見て、その理由がよく理解できました」と、朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」の辺真一編集長は映画の感想を語った。

 辺編集長は2年前に新書「大統領を殺す国 韓国」(KADOKAWA)を刊行。初代、李承晩(イ・スンマン)大統領から、現在の第18代、朴槿恵(パク・クネ)大統領までの各政権を比較分析したノンフィクションだが、その内容は衝撃的だ。辺編集長はこう書いている。「実は韓国の大統領のほとんどすべてが、退任後、在職中の『罪』を問われ、亡命、隠遁、逮捕、死刑宣告といった『罰』を受けている」と。そしてこう結ぶ。「これほど光と影のコントラストがくっきりとわかれる権力者ばかりが続く国はそうはないだろう」

 韓国史上初の女性大統領として期待された朴槿恵政権も側近の逮捕で支持率は低下。まだ在任中にもかかわらず、歴代大統領の退任後の末路とが重なって見えてくる。

韓国初の庶民大統領だった−自殺した盧武鉉大統領、死後も人気が高い理由

 映画「弁護人」では、なぜ盧武鉉氏は弁護士から政治家へと転身し、大統領を目指したのか、その転機となる事件が描かれる。

 1970〜80年代、軍事政権下の韓国では、国家保安法違反の容疑で、多くの学生たちが不当逮捕された。そして81年、全斗煥(チョン・ドゥファン)政権下、釜山地域の民主勢力を圧殺するために19人の学生たちを令状なしで逮捕する「釜林(プリム)事件」が起こる。商業高校を卒業した盧武鉉氏は税務関連の弁護を専門にしていたが、この事件で学生らの弁護を引き受けたことをきっかけに国家の不正と戦う人権派に転身、政治への関心を強めていく。

 映画では軍事政権下、仲間の弁護士が次々と国家権力に屈していく中、盧武鉉弁護士が唯一人、最後まで戦う姿が描かれる。実力派俳優、ソン・ガンホの盧武鉉が乗り移ったかのような鬼気迫る熱演が感動的だ。

 「私は『大統領を殺す国〜』の中で歴代大統領を比較検証したが、盧武鉉大統領の評価、採点は決して高くなかった。この映画を見て大いに反省しています。盧武鉉への評価を再考しなければならないと。韓国は実に惜しい人を失った」と辺編集長は語る。そして謙虚にこう続けた。「できることなら彼が大統領になるまでの経緯を詳しく書き加えたくなった」

 映画では、高卒で弁護士となった盧武鉉氏は庶民派弁護士として、司法界でもさまざまな偏見や圧力と戦ってきた経緯が描かれる。「ヨットを持つほど金持ちのくせに…」と陰口を叩かれる場面も印象的だ。彼が所有していたのは競技用ヨット。日本の琵琶湖でのレースなどに参加する屈強なヨットマンだった。

 「盧武鉉は建国から数えて9人目の大統領。それまでの大統領は李承晩、崔圭夏(チェ・ギュハ)ら学者出身と、朴正煕(パク・チョンヒ)、全斗煥、盧泰愚(ノ・テウ)ら軍人出身と、金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)ら政党ボス出身の三つのパターンしかなかった。どれもこれも権威丸出しの大統領でした。その点、高卒の盧武鉉はいわば韓国初の庶民大統領と言っても過言ではないのです」と辺編集長は説明する。そして、盧武鉉氏の人気のもう一つの大きな理由をこう語る。

スキャンダルまみれだが…田中角栄元首相に似ている?

 「彼は『高卒は実力で勝負』と言っているが、その点では日本の元首相、田中角栄氏に似ている。雄弁家で憎めない大衆政治家という点でもそっくりです。スキャンダルにまみれ、バッシングを受けたまま退任−という憐れな晩年も共通しています。ところが、奇妙なことに今では盧武鉉は歴代大統領では一番人気で、角栄氏もまた『角栄ブーム』が起きるほど人気を博している。何か魅せられるものがあるのでしょう」

 長らく軍事独裁政権を率いた第5〜9代、朴正煕大統領は在任中、暗殺されている。朴槿恵大統領の父である。

 「韓国は今、朴槿恵大統領の機密漏洩事件で揺れているが、こんなときこそこの映画を見てもらいたい。少なくとも韓国の政治レベルは盧武鉉が弁護士だった35年前と今と、さほど差がないことに気づくでしょう」と辺編集長は言う。

 「私たちはいつまでも過去の足かせに囚(とら)われているわけにはいかない」。盧武鉉氏は大統領在任中、こう主張し訪日の重要性を訴え続けた。2003(平成15)年、当時の小泉純一郎首相との日韓首脳会談を終え、羽田空港から帰国する際、政府専用機に乗るためにタラップを上がっていた彼は、機体の下で整列し、敬礼して見送る日本の白バイ先導隊員を見つけると、タラップを降りてきて全員と握手した。彼の人柄を物語る瞬間だった。
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 http://www.sankei.com/west/news/161123/wst1611230051-n1.html
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