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2016年10月27日12:17

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サムスンのスマホ発火でグーグルがダークホースに急浮上 北米市場、ブランド悪化の「悪夢のシナリオ」に現実味

 下記は、2016.10.27 付の産経ニュース【アメリカを読む】です。

                     記

 サムスン電子の新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」が発売約2カ月で生産・販売停止になった問題で、米国のスマホ市場でダークホースに注目が集まっている。サムスンのライバルといえば米アップルの「iPhone(アイフォーン)」だが、実際には米グーグルが20日に発売した新製品にとっての追い風になるとの観測が浮上中だ。しかしアイフォーンの知名度やブランド力という無視できない要素もあり、アイフォーンの販売増を予測する声も根強い。一方、ノート7の欠陥に対するサムスンの対応を問題視する声も広がっており、ブランド力への影響も取り沙汰されている。

 「以前にノート7を検討していたのなら、お勧めは新発売のピクセルXLですね」

 ワシントン市内の携帯電話販売店の店員がノート7の代わりとして売り込みをかけるのは、グーグルが発表したばかりのスマホ「ピクセルXL」だ。20日に販売が始まったばかりで、事前予約受付の段階から多くの顧客が購入候補に加えていたという。

 ピクセルXLは画面サイズが5・5インチで、ノート7(5・7インチ)と大きさが似通っている。5・5インチ以上の製品は「ファブレット」と呼ばれ、「2020年までは2ケタ成長が続く」(米調査会社IDC)と予測される成長株だ。IDCは今後も各社の新製品投入が進むと予測している。

 さらにピクセルXLは基本ソフト(OS)がノート7と同じアンドロイドであることも重要な利点だ。アナリストは「高機能スマホの間での性能の差はわずかでしかない。最も重要なのは新しいスマホで今まで通りのアプリを今まで通りの操作で使えるかどうかだ」と指摘する。

 ただしスマホ向けOSでアップルの「iOS」とシェアを争うグーグルも、スマホ本体のメーカーとしては新参者でしかない。今回のピクセルXLと、同時発売の「ピクセル」(5インチ)は、グーグルが自社ブランドで開発・販売する初めての商品。このためピクセルXLが消費者に受け入れられるかには不透明さも残る。

 その点、アップルが9月に発売した「アイフォーン7プラス」(5・5インチ)には高いブランド力がある。市場ではノート7が半年で1400万〜1000万台の販売を見込んでいたことを根拠にして、「ノート7の販売停止はアップルに年間800万台の販売増をもたらす」との試算も出ている。

 また仮にノート7の欠陥がファブレット以外の製品のブランド力にまで波及すれば、他メーカーにとっての追い風はさらに大きくなる。スマホの世界市場でのサムスンのシェアは2016年4〜6月期で22・8%で、2位のアップル(11・7%)に2倍近い差をつけている。しかしファブレット以外の製品では市場の頭打ちが目立っており、サムスンの販売台数が中国の華為技術(ファーウェイ、シェア9・3%)やブランド力で勝るアップルに削られていく事態も想定される。

 こうしたサムスンにとっての「悪夢のシナリオ」は絵空事ではない。米主要メディアは今月に入って、ノート7の発煙や出火によるトラブルに見舞われた利用者たちの証言を相次いで報道。就寝中にノート7が出火したというケンタッキー州の男性はメディアの取材に対して、寝室が煙に満たされているのに気づいたときは「死ぬほど怖かった」と振り返った。また駐機中の旅客機内でノート7が発煙し、機内にいた75人が避難したことも話題となった。

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは12日付紙面に発火で本体が溶けるなどしたノート7の写真を大きく掲載し、「サムスン製品を買う前に考え直そうとする人を責めることはできない」として、サムスンブランドの将来に警鐘を鳴らした。またサムスンが問題の背景について詳しい説明をしていないことへの不信感や、当初は問題を矮小化(わいしょうか)しようとしていたとの批判も出ている。

 米運輸省は14日、米国内で発着する航空機へのノート7の持ち込みや、預け入れ荷物にノート7を入れることを禁止する緊急命令を発表。フォックス長官は「飛行中の機内で1件でも出火が起きれば、乗客が重傷を負う高いリスクがあり、さらには多くの人命を危険にさらす」と緊急命令の理由を説明した。

 ノート7は8月の発売直後から、発火や発煙などの報告が相次ぎ、サムスンは9月、米国や韓国などで250万台がリコール(回収・無償修理)対象になると発表した。しかし交換した代替品でも同様のトラブルが起こるという異例の事態を招き、今月11日にノート7の製造と販売を停止すると発表している。

 (ワシントン支局 小雲規生)

 http://www.sankei.com/premium/news/161027/prm1610270001-n1.html
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