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2016年10月16日17:37

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国債を買いに行く

すっかり冷え込んで、車に乗ってもひざ掛けなんかしてしまった。秋は速足で冬になりつつあるようだ。ついこの間までクーラーかけてたのに。

読書の秋ということで村上龍の「オールド・テロリスト」を読書中。この人の本は僕のような“下流の人”を容赦なく攻撃してくれるので、マゾ的快感もあるのだが、毎年村上春樹氏がノーベル文学賞を取りざたされるのなら、この人だって名前が挙がってもいいとは思う。「ノーベル文学賞なんかいらないですよ」と、さらりと言いそうな春樹さんに対して、この人がどういうコメントをするのか想像してみるとちょっと楽しい。かなりムカつきそうな、不遜なコメントをしてくれそうではある。ボブ・ディランは違うんじゃねーのとは思うけど。

ちょいと小金が貯まったので、国債でも買ってみようかと銀行に出かけた。定期預金の金利を調べたら、日銀のマイナス金利政策のせいで、10年の定期でも金利0.01パーセント、普通預金と変わんねーじゃんということで、仕方ない、国債でも買ってみるかということにしたのだが。

銀行で口座を作ろうとしたら、印鑑と免許証はもっていったが、マイナンバーカードの提示を求められ、そんなものはもってきてないというと、では通知カードをもってまたのご来店を、ということで二度手間になってしまった。会社の総務に提出する書類とか、こうして金融機関に網を張り巡らされてしまうと、いよいよマイナンバーカードを作らざるを得ないなという感じだが、国に資産状況をお見通しにされてしまう制度というのはなんとも気味が悪い。

そのうえ、お時間大丈夫ですかと聞かれ、ええまあ、と答えると、渉外部資産運用インストラクターという名刺をもったおばさんが出てきて、国債もいいですが、こちらのご検討もいかがでしょうと、投資信託の説明を延々とされてしまう。

そんなのこんな貧乏人相手じゃなくて、お金の桁が一桁も二桁も違うようなお金持ち相手にしろよと思うが、この間も車の営業のあんちゃんに延々、残クレがどうのこうのと説明されて時間をつぶされた恨みもあったので、相手を黙らせるくらいにこちらも喋ってやった。

僕は以前塾の講師とかしていたし、その前は営業でセールスなどもしていたので、その気になれば結構ぺらぺらと喋ることはできる。

「僕はもう五十年以上も生きてきまして、たいした人生ではないんですが、それでも身にしみてわかってきたこともいくつかあるんですよ」
「はあ」
「例えばですね、努力は必ず報われるって、AKBの小娘とかが平気でいったりするじゃないですか。でもそんなの大嘘ですよね」
「まあ、そうですよね(営業スマイル)」
「努力が必ず報われるほど世の中は甘くない。でも報われる人っていうのは必ず努力している。これはどうですか?」
「ええ、その通りだと思います(再び営業スマイル)」
(そっちも営業の弱み。客の話をさえぎることはできまい。と思いつつ、べらべら喋る)
「ではこういうのはどうでしょう。偉い人間が、立派な人間とは限らない」
「はあ」
「所長でも社長でもいいですけど、高い地位にいる人間が、人間的に立派かっていうと、全然そうじゃない。あなたの周りにも、ろくでもない上司って結構いませんか」
「ええ、その通りですね(何か思い当たることがあるのか、本当の笑い)」
「で、こういうのもあるんですよ。営業の人間の勧める商品は買うな」
「…」
「だいたい投資信託って、文字通りいけば、信じて託すわけでしょ。初対面の○○さん(名刺に書いてある)、なけなしのお金を託すほどあなたを信じますなんて、ありえないでしょ」
「いや、それは(苦笑い)」
「あなたが僕の仲のいい従兄妹か何かで、法事の席とかで出た世間話の中で、私もノルマに追われて結構、酷い商品も売ってきちゃったけど、でもこの商品は本当にいいと思う。ここだけの話、お客さんが本当に得しちゃう商品だから、近々、発売停止になっちゃうと思うのよね。なんて話なら信じる気にもなれそうだけど」
「ははは(力のない笑い)」

さすがにそれ以上、投資信託を勧めてくるようなことはしなかったけどね。「一応、ご参考に」と資産分散投資とかのパンフレットを持たせてもらったけど、「専門家に任せた資産運用で、機動的に運用したい」「自動運転カーみたいにおまかせね!」なんて謳い文句からして絶対ヤバい商品の匂いがプンプンじゃねーか。こんなのに手を出す奴の気が知れねえぜ。ってところだな。

今週の映画は「インサイダーズ」(監督:ウ・ミンホ/出演:イ・ビョンホン、チョ・スンウ、ペク・ユンシク)を観ました。財閥と政治家の癒着によって腐敗した巨大権力をめぐり3人の男たちが騙しあいを仕掛けあう様を描いたサスペンスアクション。

どうせ最後は一発逆転なんだろ、とは思いつつやはり騙されてしまった。なかなかよくできた、良くも悪くもいかにも韓流風の映画。悪玉がいかにも悪玉らしく、主役のふたりを食っている感じがしたが、どこか漫画的な感じもする。現実の悪玉はもっと狡猾な気がするけど。

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