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2016年10月13日06:42

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「残業100時間」

■「残業100時間」
「残業100時間」という言葉が踊っています。

「100時間で死ぬなんて情けない」
という元東芝社員の武蔵野大学教授の
心無い発言が問題を悲しくしています。


【Issue1】:残業認定は容易ではない実態
100時間を20営業日換算だと、
「残業5時間を毎日」
ということは正しい計算なんでしょうか。

とんでもない誤解が沢山入っています。

そもそも現代の労働基準法において、
その根幹を成す
「労働時間」
は定義さえなされていません。
極めて裁量的な概念なのです。

さらに、「みなし労働時間制」が、
経営側の勝手な理論で
労働基準法の例外規定として
勝手に付け加わった経緯があります。

残業は発生したことにして良いけど、
「超過労働が極めて認定しにくい制度」
というのが正式に認められたわけです。

その例外領域の一つが、
「専門業務型裁量労働制」。
新聞出版、テレビ、プログラマが
含まれています。

いわゆるホワイトカラーエグゼンプションという、
「沢山給与払うんだから、もっと働け条項」

もちろん、プロフェッショナルファーム系も
適用されやすいとされています。

そういう例外業種にもかかわらず、
「100時間も残業と認定された事例」
という絶望的な事態。
恐らく、普通の会社だったら、
残業200-300時間級が1年続いた、
といえるのかもしれません。


【Issue2】:本来のプロフェッショナルファームの実態
ホワイトカラーエグゼンプションが適用される
プロフェッショナルファームは、
「個人の働き方にまで干渉しない」
ことが普通です。

働きたい範囲でガンバレ、と。
サボるヒトには仕事も来ないし、
給料もボーナスも全然もらえないだけですから。

実は、その先が重要なのですが、
「それでも、働き続けて構わない」
のです。

プロフェッショナルファーム系では、
顧客、業務、チームメイトの狭間で、
常にきりもみリスクを内包しながら、
何とかマネージしているのが実態です。

ところが、サラリーマンでしかない、
電通はこんな環境なのか。

「疲れたから、今日はサボります。」
「その代わり、明日は24時間頑張ります。」
みたいな感じか、と。
そんな自由で、自己責任が問われる
環境だったのでしょうか。

これこそが、完全に
「法律のアヤ」
というわけです。

実際、自分もプロフェッショナルファームで
働いていますが、働かないときは
徹底的に働きません。
時には気分転換で、休んでサボったりしています。

質を上げるためにはサボることも重要だからです。


【Issue3】:老害
「俺は昔の頃は猛烈に働いた」と。

付言しておくと、
昔のモーレツと今の過労は、
・働く時間
・働く質
・ストレスの度合い
全て、現代の方が圧倒的に上です。
単純に労働生産性だけでも、10倍違う、
と数字でも証明は容易です。

そして、
「昔の俺」としか比較できない
老害世代の裁量の小ささに取り囲まれている
「現代の勤労世代」
の孤独感。
老害世代にネチネチいじめられるという
象徴でしょう。


【Issue4】:自己責任
なぜ、電通を選んでしまったのか。
なぜ、コンサルを選んでしまったのか。

上昇志向が強い。
ブランド志向が強い。
給料もトップクラス。

しかし、その結果、何を犠牲にするのか。

実は得られる対価に見合う犠牲という
「リスク」
があります。
経験的にホワイトカラーエグゼンプションの
環境は誰でも、長く働ける環境ではありません。

そして、「リスク」と向き合ったときに、
いつでもそこから外れることができるという
オプションが沢山存在します。

体育会では、理不尽な実態に
直面することはしばしばあります。
「ひたすらOBが偉い」といったような。

日本文化を理解したければ、良くも悪くも
体育会に入るとよくわかります。
しかし、自分の人生を掛けて、
その中で生き残っていけるかどうかは、
本当にヒトによるでしょう。
体育会でもそういう雰囲気に最後まで
合わない人も沢山いますから。

電通は散々ネットでも、超・体育会系で
特殊な会社だということでも有名でした。

色々な会社と接して、
内部にも深く入ったり、
そして、勤務したりすると、
あまりに沢山の労働環境と勤務者の意欲との
ミスマッチに遭遇します。

特に、人生勝った経験が多いヒトには
本当は頑張って過労環境に置きたくないのに、
プライド、金、世間体を気にして、
自分に合っていない働き方を選ぶ傾向は顕著です。


色々な日本の縮図が重なって、
そして、自分の過去の苦しみからも実感でき、
それは自分が転職した要因だったこともあり、
本当に不幸すぎる事件(×事故)でした。

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