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2016年10月11日00:48

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秋葉原に芝居を観に行く

 今日は知り合いが出演している舞台を観に、秋葉原に行く。
 劇団AKIBAロード『リリーの予言書』という舞台である。

上演された場所は芝居小屋ではなく、劇団の稽古場のようなところでの公演であった。
 劇が上演されるスペースが横に長いという、通常の芝居小屋とは違う変わった形での上演であった。
 このような特殊なステージだと、自分だったらどんな演出をするのだろうかと考えてしまった。
 実際の舞台は横に長いステージを使い、舞台の片方で時間経過を利用したドラマを見せたり、動きもステージの特徴を上手く考えられていた。
 で、これを見ていると、通常の舞台だったらどうみせようかとも考えるのであった。

 この舞台、客入れの時に五分ごとに役者達が現れ、本番が始まるカウントダウンをやるのだが、その時役者が一発ギャグをやり会場の雰囲気を和らげていた。
 しかし、このギャグはとても微妙で大笑いをすることができなかった。
 これを観ていたら、劇団AKIBAロードがコメディの劇団なのかという印象ができてしまった。

 しかし、蓋を開けたら、笑いは一切なく、シリアスで悲しみのあるいい芝居であった。
 予言ができる少女と知り合った不幸な境遇で育った兄弟との話である。
 主要人物達の重いドラマがつづられて悲しさを感じさせられた。
 でも、最後にはそれをふり払い、感動する方向に作られているのがいい。
 ストーリー的には唐十郎さんの芝居のドラマパターンである。最低下層の人間達の悲しいドラマが展開されているというものである。
 そういえば、モノローグも少々唐組的なものがあった。
 ただし、今の唐組を知らないので、オイラが見ていた十年くらい前の唐組である。

 そうゆうドラマが好きなので観ていて楽しめることができた。
 欲を言えば、兄貴役の役者がもっと感情のエネルギーを強く出して欲しかったという所である。
 役の怒り、悲しみ、その演技は十分伝わっていた。しかし、もし、それがもっと強いエネルギーとなって観ている者の心に刺さるくらい物であれば、観客の感動するエネルギーも強くなり、涙を流す人もいただろう。
 演出家がそうゆうものを求めていないのならしかたがないが。

 そんな欲もあるが、秋葉原という街で観た芝居は悪いものではなかった。

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