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2016年10月04日00:50

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TOMIXの40年

 この2016年9月にて、「TOMIX」という鉄道模型のブランド(以降は基本的に「トミックス」と表記します)が生まれてから40周年を迎えたとの事です。それを記念してネコ・パブリッシングより出版されたのが、この「TOMIXの40年」というムックです。
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トミックスで鉄道模型趣味をスタートさせて、以来ずっとトミックスファンを続けてきた私も、期待を込めて購入しました!そして、その感想は・・・「期待外れ」でした、残念ながら。ネット上でも、読んだ人たちによる厳しい声を散見します。

 しかし、あくまでも私にとっては「期待外れ」であっただけで、決して「悪くはない」内容だとも思っています。全ページフルカラーで、写真もふんだんに使われているので、眺めていて楽しい作りになっていますし。
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特に前半部分に多く掲載されている、過去の出版物などで使用されたレイアウトやジオラマの写真は懐かしいものも多く、主にそれらの影響でシーナリー派になった(された?w)私にとってはうれしい構成でした♪
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初見もしくは覚えていないものもありましたし、印象深い写真でも掲載された出版物が手元には無いものも少なくなかったので、この機会にまとめてくれたのは大変ありがたい事です。

 トミックスの前身となるトミーナインスケール時代から今日までの製品を取り上げながらトミックスの歩みをたどる「40年のトピックス」でも、
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やはり製品の写真が多く使われているので、老若や知識の有無を問わずにイメージしやすく読めるのではないかと思いました。また、巻末には最初期の製品パンフレットも収録されていて、
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眺めていると製品の情報だけでなく当時の空気まで伝わってくる気がします。

 といった感じで、とにかく視覚的に訴えてくる要素が強い構成になっていて、ムックとしては標準的なスタイルなのではないかと思われます。その反面、文章的には「弱い」というか、内容が全体的に「浅い」印象を受けました。特にメインコンテンツの1つであろうインタビュー記事は、黎明期・初期のエピソードが多く語られる事を私が期待しすぎていたのかもしれませんが、比較的近年の話の方が多い様に感じられた所為もあってか突っ込み不足に思えてしまいました。
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もちろんこれに関しては、当時を語れる関係者がもはや少なくなってきていて、色々と難しいのであろう事も十分に想像はできるのですが・・・しかし、それを考慮して内容に対する消化不良感はあえて問わないとしても、単純に文章の量が少ない!インタビューは「カタログ」「1/80」「栃木工場」「さよならセット」「レール」という5つのお題について行われているのですが、個人的には「レール」だけでも良かったと思っています、強いて言うならあと「カタログ」の2つで十分かと。レールシステムに関する話はもっと読みたかったし、カタログに限らずレイアウトプラン集など他の出版物についても触れてほしかったと思いました。その辺りはインタビュー項目の数を絞る事で、ページ数の割り当てを増やすだけでもかなり違ったのではないか?とも考えたのですが、「"カタログ"で振り返る」と題しているのに、カタログよりも製品の話の方が多いという様な内容から考えるに、やはりもっと根本的な部分に問題がある気もします・・・

 そして何より、本の中でレールシステムに関してまともに取り上げているのは、ほぼこのインタビュー記事のみという構成にも大いに疑問を感じました。トミックスの歴史を語る上で、レールシステムは車両と同等かそれ以上に重要な存在だと私は考えているので。また、ストラクチャーやシーナリー用品については、ほぼ全く触れられていません・・・これらもトミックスの展開においては欠かせない存在のはずですし、トミックスによる情景方面への啓蒙は、Nゲージ界のみならず今日の鉄道模型界全体に多大なる影響を与えていると思うのですが。私がシーナリー派だという事もあるのでしょうが、これこそがこの本の最大の不満点です!

 そもそもトミックスというブランドは決して単なる個々の製品の集まりではなく、全体としての大いなる方向性があって、それをカタログその他の出版物や雑誌広告なども使って上手く補完しながら、陳腐な表現かもしれませんが「夢が詰まっている」イメージやある種の憧れすら感じさせるブランドを形作ってきたのだと思っています。
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そんなトミックスのファンを続けてきた身としては、個別の製品にばかり焦点を合わせるのではなく、そういったブランド全体を俯瞰する様な視点から40年を振り返る内容を最後まで期待しながら読み進めていたのですが、残念ながらその期待は空振りに終わった事で「トミックスの40年」というタイトルに見合うだけの水準には至っていないと感じてしまいました。冒頭では「悪くはない」などと言いながら、結局最後は駄目出しばかりになってしまいましたが、それだけ期待もしていたのですよ(この記事の中でも「期待」という単語を何回使った事でしょうか?)。でもまあ、これはあくまでも私の個人的な感想に過ぎない駄文という事で・・・

 それでは改めまして、トミックス40周年おめでとうございます♪今後とも期待しています!!
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