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2016年09月23日16:21

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エリザベス女王が「非常に無礼」と評した中国

下記は、2016.9.23 付のダイヤモンド・オンライン の記事です。

                       記
                     
櫻井よしこ 氏

ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業。「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局員、アジア新聞財団「DEPTH NEWS」記者、同東京支局長、日本テレビ・ニュースキャスターを経て、現在はフリー・ジャーナリスト。 1995年に『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中公文庫)で第26回大宅壮一ノンフィクション賞、1998年には『日本の危機』(新潮文庫)などで第46回菊池寛賞を受賞。2007年「国家基本問題研究所」を設立し理事長に就任。2011年、日本再生へ向けた精力的な言論活動が高く評価され、第26回正論大賞受賞。2011年、民間憲法臨調代表に就任。 著書に『論戦』シリーズ(ダイヤモンド社)、『「民意」の嘘』(花田紀凱氏との共著、産経新聞出版)、『日本の未来』(新潮社)など多数習近平国家主席はイギリスに訪れた際にも、なぜか「日本の残虐性」に言及した。また、国連議会では「日本には核拡散リスクがある」などと、言われのない非難をしたりもしている。この異常なまでの「日本叩き」の背後には、必死に国内体制を維持しようとする中国共産党の意図が見え隠れしている。人気ジャーナリスト・櫻井よしこ氏の最新刊『凛たる国家へ 日本よ、決意せよ』の中から紹介していこう。

                      
あらゆる機会に「日本の残虐性」を叫ぶ中国

中国の習近平国家主席は2015年10月20日、イギリス議会に続いて、バッキンガム宮殿で開催された公式晩餐会でも演説した。イギリスのメディアは、白いドレスで正装したエリザベス女王と赤いドレスで装ったキャサリン妃の間に、黒い人民服姿で座る習氏の映像を伝えた。

イギリス議会とバッキンガム宮殿での習氏は2つの演説で、いずれも「日本の残虐性」に言及した。女王陛下主催の華やかな晩餐会で、英中以外ただ1つ、第三国の名、日本の国名を挙げて、「日本軍の残虐性」を語ったのである。何という悪意であろうか。

習演説は1998(平成10)年の江沢民演説と重なる。国賓として来日した江氏は天皇、皇后両陛下主催の晩餐会のみならず、早稲田大学でも、「過去の侵略の歴史をかがみとして、日本人は未来永劫、反省しなければならない」と語った。中国の「対日歴史戦争」はいささかも変質することなく、執拗に続いている。

同じ日に国連総会では、中国の国連大使、傅聡氏が、日本非難を展開した。その内容は、日本が保有する核物質は核弾頭にして1000発以上に相当し、核拡散の観点から深刻なリスクであるというもので、日本の「著名な政治家」が核武装論を展開しており、政策決定がなされれば日本はごく短期間で核武装国になると警告するものだった(「産経新聞」2015年10月22日付)。

日本に核拡散の危険ありなどと、中国にだけは言われたくない。核を拡散してきたのは他ならぬ中国である。中国が北朝鮮に核開発のための全面支援を行ったこと、パキスタンには核物質の製造を含めて核兵器完成に必要なインフラ技術まですべてを伝授したと、トーマス・リード、ダニー・スティルマン両氏の共著『The Nuclear Express』(核の急行便)で書いている。リード氏は米レーガン政権の国家安全保障会議で対ソ連戦略を担った専門家である。

中国がパキスタンの核武装を助けたのはインド牽制のためだ。インドはパキスタンによる北からの脅威、中国が仕掛ける国境紛争に加えて海からインドを追い詰める「真珠の首飾り作戦」で、膨大な国費を使わされ、そのために「超大国になれず、地域大国として終わるだろう」とさえ言われている。

今回、イギリスは王室を筆頭に国を挙げて中国を歓迎した。格別の歓待を引き出したのは中国の膨大な資金力である。ヒンクリーポイントの原子力発電所建設、新高速鉄道建設などの大プロジェクトに総額300億ポンド(約5兆5000億円)を中国が出資するという。イギリスがどれほど徹底して実利を追っているかが見えてくる。習氏のイギリス訪問は徹頭徹尾、ビジネスなのだ。

欧州連合(EU)の大国、ドイツの親中政策に続いて、私たちはイギリスが中国に吸い寄せられる様子を眼前に見せつけられているわけだ。それはEUが経済で中国に引き寄せられ、歴史問題で日本が徹底的に悪者にされていく危険なプロセスでもある。日本人の私たちはこうしたことをしっかりと頭に入れておかなければならないことを強調したい。

中国は資金力で欧州諸国を取り込む勢いだが、その国内情勢は異常である。習氏は「総体的国家安全観」を打ち出し、政治、軍事だけでなく、経済、文化、社会、科学などのあらゆる分野で「国家の安全」が脅かされており、あらゆる分野で取り締まりを強化すると訓話した。当局の意に反することすべてが取り締まりの対象になる。そのことを示すのがますます強化される弾圧と深刻化する人権侵害だ。こんな前近代的体制がどれだけ持つのか、疑問である。

中国が無理を重ねて日本非難の包囲網を築きつつあるのを尻目に、安倍晋三首相は10月22日、モンゴルと中央アジアの6ヵ国歴訪の旅に出る。いずれも地政学的に非常に重要な国々だ。日本は中国とは対照的な、現地の国の人々を育てる開発と、公正な民主主義の価値観に基づく関係強化で、日本と連携する諸国との未来展望の枠組みをつくることに集中するのがよい。

(『週刊ダイヤモンド』2015年10月31日号の記事に加筆)

〈追記〉エリザベス女王が「非常に非礼」と評した中国

習近平主席のイギリス訪問から約7ヵ月後の2016年5月10日、園遊会でのエリザベス女王の驚くべき率直な発言が報じられた。イギリスを訪問した習主席一行は「非常に非礼だった」(very rude)などと、女王陛下が感想を語っていたのだ。

イギリス側の警備を統括した女性統括官が女王に紹介されると、女王は「なんて災難でしょう」(Oh, bad luck)と間髪を入れずに感想を述べている。中国側は、習主席に同行した多数の警備人に銃器の携行を許すよう求めたが、イギリス側はこれをすべて拒否した。反習近平デモの取り締まりも要求したが、イギリス側はこれも拒否した。中国政府は自由を尊ぶ国の慣習を知らないのである。彼らは強く要求し、要求が受け入れられなければ「訪問を打ち切る」とまで言った。

女性統括官がそうしたことを語り始めると、女王は「分かっています」と言い、「彼らはイギリスの駐中国大使にもとても非礼だったわね」と返答している。最後に「尋常ではないですね」(extraordinary)とまでコメントした。

中国側は不快感を表明したが、王室側は「女王陛下の私的な会話にはコメントしない」であっさり済ませてしまった。イギリスらしい対処である。

 http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%e3%82%a8%e3%83%aa%e3%82%b6%e3%83%99%e3%82%b9%e5%a5%b3%e7%8e%8b%e3%81%8c%e3%80%8c%e9%9d%9e%e5%b8%b8%e3%81%ab%e7%84%a1%e7%a4%bc%e3%80%8d%e3%81%a8%e8%a9%95%e3%81%97%e3%81%9f%e4%b8%ad%e5%9b%bd/ar-BBwwb9q?ocid=LENDHP#page=2
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