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2016年09月17日02:13

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【創作】 オリジナル小説 短編連載 初期作品 妖怪屋敷 

02 訓練

正直今それどころじゃない
悔しくって
情けなくって
何でここまでぼろくそに言われなきゃならない
私は私だ母じゃない

「こら。泣いてる暇があったら手をかざさんか」
「泣いても終らせんぞ」
そういうのは私の師匠虎象(とらぞう)さんだ妖怪名であり本苗字でもある
ついこないだ死に掛けた妖怪を助けたばかりに
今こうして退魔師としての訓練を受けている
治癒能力者は貴重らしい
そして母は治癒師としてより結界師としての能力が高かった
父はばりばりの攻撃派だったらしいが
なんでもいなずまの鞭を操っていたそうだ。
らしいとかそうだとか使うのは両親を早くに
無くしているから母は生まれてすぐ父は18の時に無くなっている

両親とも私が退魔師になるとはつゆほども思ってなかったろう
力の使い方や戦い方なんて話は一度もしたこと無い
それなの師匠などがついて猛特訓させられている

仕方なく手に波動を作るここまではできるが
ビシっと棒で手を叩かれる
「それは治癒の波動じゃ、今訓練してるのは防御の波動じゃ」
「そんなこと言ったって治癒の波動が何故でるかもわからないのに
防御の波動にかわるわけないじゃない!」
もう完全に泣き声鼻もかみたい
とにかくドーム型の結界ができた
「ほー見事な治癒結界じゃな入ってきた皆の傷をなおしてくれるぞ」
でも尻を棒でパシン!
「今訓練してるのは防御結界じゃ誰でも出入りさせてどうする」
「そんなこといったって、ぐずっ」
最近の夜は毎晩こんな感じだ

今晩も特訓が待っていると思うとそれだけで泣けてくる
鍵を渡しに来た萌香に聞いてみる
「萌香さん治癒結界と防御結界の違いってなに?」
「私は攻撃結界火炎ドームしか張れないからなー。」
「でもさ普通に考えればいいんじゃない?」
「普通に?」
「そそ、普通に治癒は傷ついた人を癒すけど
防御結界は来るものを拒むわけでしょう?」
上手くなると特定の人だけ取り囲んで
用の無い人ははじき出すこともできるみたいよ」

そして泣きながらの訓練はつづく…

深夜アパート周辺で退治以来が来た
なんでも20メートルこえる蛇がでるらしい
2メートルの間違いじゃと思うが
それなら警察の管轄だ
「でもおおきいだけで何もしてないのに退治って
かわいそうな気もするね」
「冗談だんじゃないぜ?20メートルあれば人間なんて
一のみだぜ。ここ3.4日続いてる近辺のホームレス失踪事件と
ルートが重なってる」すこし無愛想にいうのは唐次郎さん
滅多にしゃべらないし今も怒っている声だ

「来た来た来た」ポメラニアンの姿で2本足で走ってくるかわいい
などと言ってられない虎象さんも探索ででている
防御結界張れるの私しかいない
「早く早く」といいつつ手に気を貯めて行く
ドーム状の結界が張られてポメラニアンが飛び込んでくる
また治癒結界かやり直しする暇ない!
慌ててドームに手をふれる結界を強くするときに使う方法だが
今回は質を変えるのに使う
「お願い私たちを守って」チャリンと鈴の音のような音がする
同時に結界の色身が変る白い半透明の結界
蛇が先頭に居た私を食らおうとするが結界に拒まれる
できた!防御結界になった後は退治されるまで見物
だが諦めるのがはやい
たべられないと気づくやとってかえして
ポメラニアンの美鈴さんがまた飛び出してく
きゃんきゃん吠えながら気をひく
するとぱっくん
きゃー食べられちゃったどうしたらいいの
こんな時はどうしたらいいの。パニック起こしそうなのを
後ろから落ち着いて結界はってる以上それ以上はできないよ
私がでてみるこちらアパートの住民じゃないので
どなたかぞんじませぬ…とにかくでていって釣り糸みたいなので
下あごをひっぱる当然下を向く駄目か落ち着けと言った本人は
それでも落ち着いている食べようとせまりくる蛇を華麗にかわし
そこに唐次郎さんこと守刀が飛び込んできて
一刀両断背中を切り首を切り倒す
はや無口でどんな人かしらなかったけど強い
「唐次郎さん美鈴さんが今食べられちゃった…」
「今か?なら助かるかも」
今度は腹を慎重にきりさいていく胃袋が見えたのでつっーと切る
人間3体とポペラニアン慌てて治癒をかけると
さほどせず正気に戻った
どうやらとけてるわけでもなし気をうしなってただけ
これ以上の治癒もいらなそうだ
3人の人間はかわいそうだけど助けられそうに無い
一応治癒を試みようとした私を唐次郎は止めた


ほーっほほー
「できるじゃないか防御結界」と虎象さん
こつさへつかめば治癒結界より楽だった
泣くに泣いてもできなかったのに
実戦って怖い
人にもよるのだが私の結界は治癒は青っぽい幕
防御は白っぽいまくでつよくなるほど色身をましていくようだ
でも大変だったのですよ治癒班とは聞いてたけど
防御幕誰も張れないなんておもわなかった
「いや0タイムでMAX幕張れるのがおったぞ?」
「えーじゃあ思い込みで私でしゃばったわけ?」
「いやいざとなったら頼むとは言っといたが張れたのじゃろ?」
「と、虎象さんいかにしてもきびしすぎる私食べられちゃった
のかもしれないんですよ美鈴さん食べられちゃったんですよ?」
「それならそれも運命じゃわい」
「美鈴は助かったのじゃろう?おまえさんも食べられても
助かっておったろうさ」
「しかし美鈴は現役引退じゃなぁそろそろ80になるしなぁ」
「80!犬の年齢で80!?」
「人間に換算してもしかたなかろうが」
「あの見事な銀髪…染めてたわけでなく地毛だったのね…」
「人間も生まれつくように犬の中にも生まれつくのさ
人の言葉を理解しどう行動とったらいいか判断し人と同じでありたいと
思う犬が妖怪化する。その意味では猫又や九尾のきつねなども
自然におったのかも知れないのう。どちらにしろ妖怪化してく
運命じゃろうがな」

ふーっそか人間だけが特別じゃないんだ妖怪という形で他の動物も
力をもったものがいるわけだ

その後虎象さんが美鈴さんに引退を申し入れしたものの
美鈴さんは聞き入れなかった
終わるときは自分でわかるということらしい
まぁ80年生きた犬が90年生きても不思議ではないしな
探索系ではエキスパートなのは確かだし
もう少し元気でいてもらいましょう


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