昨晩開催された表記コンサート。
当初のパンフに記載された予定楽曲
実際の演奏楽曲。1曲たりとも重ならない・・・・・
クラシックコンサートでは、大衆の多くが知っている有名楽曲をやらないとチケットが売れない。
現代楽曲で埋めるとほぼ集客は絶望とも言われている。
ユジャ・ワン 「私が今弾きたい曲を弾きたいように弾くの!
その時の気分 気持ちで曲は決めるのよ。
決まり切った楽曲を何ヶ月も前に決めてそれを演奏なんて勘弁して!!」
1 シューマン クラリスレリアーナ
ほとんど聴いたことのない楽曲でこの日のピアノリサイタルは埋められた。
楽曲の途中まで、こちらもおそらくユジャ・ワンさんも様子見。
場の空気が馴染むまでにはちょっとアイドリングが必要。
2 カプスーチン 変奏曲
まったく知らない曲 テーマとアドリブ 指が壊れるかと思うほど鍵盤の上を舞う。
もはやクラシックではない、ジャズ いやジャズも超える何か!
自宅のオーディオでジャズ〜クラシックまで 弦から打楽器まで万能を目指してきたのも正解と思うのは、現代ではクラシック ジャズ ロックといったジャンル分けが失われているからだ。
ppp〜fff そうしてまたppp ジェットコースターのよう
。
頭も振って、口もパンパン開け閉めとされながら鍵盤を叩かれている!
これだけ速く 強弱をつけて弾けるピアニストは寡聞にしてそうはいない。
今年に発見驚いたバイオリニスト コパチンスカヤと並ぶ異端派だ。
この前にたまたまWALKMANで、そうしてオーディオ仲間宅でモダンジャズピアノストの開祖 バド・パウエルの楽曲を聴いていた。
彼の1949年頃から52年ころまでの絶頂期のプレイ ドレミの中間はないピアノなのに、早弾きでトロンボーンのように、連続音階のように聴かせるバド・パウエル・・・そんな絶頂期のプレイが頭をよぎった。
バド・パウエルは、その後アルコール ジャズピアニストにしてドラッグ売人でもあったエルモ・ホープらから買った薬 統合失調症で入退院を繰り返して絶頂期の演奏が続けられなくなりましたね
。
実際には警官から警棒で頭を思い切り叩かれて以来、演奏脳部分がやられて指が思うように動かなくなったとも
薬 アルコール 精神病で警察官の質問に呂律が回らない・・・黒人が差別されていた時代 ありうる話かもしれない・・・
3 スクリャービン ピアノソナタ4番
fffでもまったく五月蠅くない。破綻した音が一切出ないのだ!
中国からはランラン ユンディ・リーら優れたピアニストが相次いでいる。
この中でもユジャ・ワンは中国雑伎団を連想させるようなアクロバティックな鍵盤捌きを見せる。
演奏が終わると袖に引っ込み、3分位するとiPadをひらひらさせながら出てこられる。
ペーパー楽譜ではない、iPadを楽譜として利用するのはジャズでも若手から増えている。
譜面めくりも要らず、顎を左から右に振るだけで譜面が次ぎになったり、ユジャ・ワンさんはポンと画面を叩くと次の譜面となっていた。
4 ベートーベン ピアノソナタ第29番
ようやく知った楽曲といってもベートーベンのピアノ曲ではそれほど選ばれる確率は低い方の楽曲ではないか。
音の強弱が他のピアニストと違う、若手にしてもはやユジャ・ワン節と呼んでもいい特徴が貫かれている。
アンコール
15分ほど休憩。
今度はピンク色のラメの入ったロングドレスで登場。
背中のみならず、胸の割れ目部分をオープンにされたドレスに目が惹きつけられた
5 プロコイエフ ピアノソナタ 7番 戦争ソナタより第三楽章
これもよく知らない曲ながら、戦争の悲惨さ 激しさ 醜さをよく表現されていた。
6 ラフマイノフ 悲歌
触れるように弾かれるppp そうして叩き付けるfff こういう音がオーディオで再現できるのだろうか。
7 ビゼー カルメン
ユジャ・ワンの定番曲のよう。
8 ショパン バラード1番
9 ショパン ワルツ
まるで、興奮した聴衆の神経を静めて、フェードアウトしていくような楽曲構成と演奏であった。
ペコンと曲始めのときの挨拶が可愛らしい。
ワシントンポストが「開いた口が塞がらない」と評した意味がよくわかった!
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