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2016年09月12日01:09

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則文監督の喜劇やくざ映画

 今週、高い料金の芝居を観る予定を変更し、金銭的に余裕ができたので、シネマヴェーラ渋谷の鈴木則文監督特集に今日も行く。
 今日は『まむしの兄弟 恐喝三億円』と『すいばれ一家 男になりたい』の二本である。
 どちらも東映の看板路線のやくざ映画を喜劇に仕上げた作品である。

 『まむしの兄弟 恐喝三億円』は菅原文太主演のシリーズの一本。もともとは喜劇タッチに作られた作品であるが、鈴木則文監督だけに喜劇部分がエスカレートをしている。
 そもそも、やくざ映画、いや、どんな映画でもあろうとも婆さんが集団で田んぼで小便をするというありえないシーンが登場し、下品ギャク好きの則文監督らしさが出てきている。
 で、殺伐とした世界にいる主人公のゴロ政がお婆さんらと観光バスに乗って世間話をしているシーンが奇妙な組み合わせでほのぼのさを感じ、こうゆう画というのはやはり喜劇映画だからできる要素のような感じがある。
 また、まむしの兄弟が敵やくざから奪った麻薬を持って逃げるのをカーアクションで見せる。これがとえも良くできていて、その中でも笑いを入れて、最後はまむしの兄弟が乗った車はボロボロの姿で走るというオチまで付けて楽しませてくれた。
 まむしの兄弟は悪やくざを全滅させて刑務所に行って終わるというパターンであるが、今回はもののはずみで女性にわいせつ行為をして捕まるという、パターン崩しは過剰に笑いを狙う則文監督らしさがあった。

 『すいばれ一家 男になりたい』は則文監督映画の常連でもある山城新伍の主演映画である。
 任侠映画のパロディとして作られ、おおよその筋は任侠映画のパターンにそっている。
 ところが主人公は任侠映画の主人公とは正反対で、欲丸出し、特に女に関しては手に付けられないというので、そんな男が主人公だから、カッコイイ展開は遠く、ズッコケぶりに笑ってくれというのを感じられた。
 また、主人公の弟分が主人公以上に任侠映画の主人公っぽくしていて、本家のようにカッコ良く敵の組に殴り込みをかけたりするのだが、結局、ボコボコにやられて様にならないというオチである。
 また、女親分とは体を交わる行為をして親分子分の盃を交わすという奇妙奇天烈な設定も笑いを生んでいた

 今日の二日本は鈴木則文監督の監督の喜劇性を観て楽しめた映画である。
 則文監督の喜劇センスにとても楽しませてもらった映画であった。

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