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2016年09月05日00:41

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今週の科学ニュース-9月4日

 皆様、こんばんは。東北〜北海道の台風の被害に遭われた方には深くお見舞い申し上げます。現在、九州の西に台風が存在し、日本各地に影響を及ぼしています。最新の情報に基づいて行動いただけるようお願いいたします。

猿人ルーシー、木から転落死か 新たな骨格分析で示唆(米テキサス大学オースティン校他)
 1974年にエチオピアで発掘された、アファール猿人(日本では、アウストラロピテクスの方が通りが良いようです。)のLucyの全身骨格について、以前から、(あちこち骨折していることから、)病死ではなく、事故死ではないかといわれていました。今回、アメリカThe University of Texas at Austinなどの研究チームは、CTスキャンを用いた分析の結果、Lucyは木の上、12m以上の高さから墜死したのではないかと発表しました。さもありなんという気もしますが、添えられているルーシーの想像図を見ていると、この体形で12mも木を登れるのだろうかという気がしました。
The University of Texas at Austinの該当HPはこちら
Nature誌の該当論文のAbstractはこちら

顔面腫瘍で絶滅危機のタスマニアデビル、この20年で急速に進化か(米ワシントン州立大他)
 アメリカWashington State Universityなどの研究チームは、悪性の顔面腫瘍で個体数が大幅に減少したタスマニアデビルは、非常に急速な遺伝子進化を通して絶滅の危機から立ち直りつつあるとみられると発表しました。1996年に確認された、タスマニアデビルに特有の悪性の顔面腫瘍−デビル顔面腫瘍性疾患(DFTD)−は、タスマニアデビルの個体数を80%以上減少させた、タスマニアデビルにとって非常に危険な疫病です。DFTDには伝染性があることが早くから知られていましたが、これは、かみ合うことによって、がん細胞が個体間を転移するためであるそうです。有効な治療法が見つからず、このままではタスマニアデビルが絶滅すると心配されていました。ところが、アメリカWashington State Universityなどの研究チームは、「タスマニアデビルがまだ絶滅しないのはなぜか」という疑問を発し、生き残ったタスマニアデビルの遺伝子を解析したところ、この20年で、哺乳類の免疫力とがんへの抵抗力に関連する遺伝子を中心に、大きく進化していることがわかったと報告しました。まだ、DFTDに対抗していることと遺伝子の変化の間の関係ははっきりしていませんが、種の存亡に関わる遺伝子変化が「たった20年」で進むことに驚きの声が上がっています。これで、タスマニアデビルの絶滅が防止されれば良いのですが。
Washington State Universityの該当HPはこちら
Nature Communications誌の該当論文はこちら

受動喫煙の肺がんリスク評価「ほぼ確実」から「確実」へ 国立がん研究センター発表
 いや、生まれてから30年もの間、ヘビースモーカーの父のそばで育ってきた私に、今更そんなことを言われても…
国立がん研究センターのプレスリリースはこちら

これが木星の北極と南極 探査機ジュノー撮影の画像公開(NASA)
 先日、木星に到着したNASAの無人探査機Junoはきちんと動作し、データや写真を次々と地球に送ってきています。今回のJunoの特徴は、木星と縦方向(両極間移動方向)の軌道を取って木星をまわっていることで、あまり今まで観測できなかった木星の極地方の様子が調査できます。今までの写真を見てみると、木星の極地方の様子は、南極も北極も、赤道地方のような縞模様はなく、多数の巨大台風のような丸いシミが見られるところに特徴があるようです。無事最後まで調査が進むことを祈りましょう。
NASAの該当HPはこちら
また、AFPBBニュースに木星の南極の写真が出ていました。

地球最古の化石、グリーンランドで発見 37億年前の微生物(豪ウロンロング大学他)
 グリーンランドは、火山がないだけでなく、地表が氷河で覆われているために雨による浸食もほとんど無い、古い古い地層がそのまま残る数少ない土地の一つとして知られています。オーストラリアUniversity of Wollongongなどの研究チームは、このほど、このグリーンランドで37億年前の生命の痕跡の化石と推定される化石層を発見したと発表しました。これは、ストロマトライトの一種の岩石で、直接的な生物の化石ではありませんが、生物起因の物質の化石であるとしています。問題はその化石生成の年代で、今まで知られていた最古の化石より2億2千万年も昔のものであるとしています。このことは、地球が生成されたとする年代が45億年前であることから考えると、今まで考えられていたより過酷な気候下でも生命が発生した可能性があることが言え、ここから外挿すると、例えば、火星に生命が過去存在した兆候が見つかる可能性が増えたと言えるとのことです。ただ、この37億年前という年代のデータ、今後、議論を呼びそうです。
University of Wollongongのプレスリリースはこちら
Nature誌の該当論文のAbstractはこちら

スペースXのロケットが発射台で爆発、FBの衛星搭載 けが人なし
 打ち上げたロケットの期間・着陸・再利用実験を繰り返して、成功・失敗を繰り返しているスペースXですが、今回は、結構大きなしくじりをしてしまいました。どうも、発射直前の試験中に爆発したらしく、搭載していた衛星だけでなく、発射台にも大きな被害が出たとのことです。なお、こちらに動画が出ています。かなり遠くから望遠で取っていたらしく、爆発音がかなり後から来ますが、大迫力です。これは、まだSFXで作り込んで映像化することはできないでしょう。

 では、今週はこの辺で。
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