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2016年08月06日17:29

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笑顔と挨拶


ジョン・ワナメーカー氏は、デパート王といわれる。店員募集の広告を見て、1人の青年がやってきた。

自ら接したワナメーカーの質問に、彼は、「イエス、ノー」と、適切に即答して少しの誤りもなかった。
体格も立派だし、学力も十分。同席者は採用を確信して疑わなかった。
ところがどうしてか、不合格になったのだ。

「たいそう、よい青年のようでしたが、どこかお気に召さないところがありましたか」
側近の不審にワナメーカーは、こう言っている。
「あの青年は、私の質問に、『イエス、ノー』と、ぶっきらぼうに言うばかりで、『イエス・サー、ノ・サー』(敬称)と、丁寧な物言いをしなかった。
あんなふうでは、きっとお客に親切を欠くことがあるにちがいない。
親切第一がモットーの私の店には、雇うわけにはゆかないのだよ」

たったの一言が、いかに大切か。
「社長が愉快げに“おはよう”とあいさつされると、一週間は楽しく働ける」
こう言って、ワナメーカー氏の店員たちは、嬉々として働き、店は栄えに栄えたという。

なにが社会奉仕だといっても、にこやかな笑顔と明るいあいさつほど、世の中を楽しくするものはない。

彼は街頭を行く楽隊のように、四方に光明をバラまく。
笑顔と挨拶を出し惜しむ者ほどの、ドケチはないといってよかろう。
ちょっと目元の筋肉を動かし、わずか一言、二言を話すだけで、人に幸福を与えることができるのに、それすらもケチるからである。

シドニ・スミスは、面白いことを言っている。
「少なくとも1日に1人を喜ばせよ。10年すれば、3650人を喜ばせることになる。
一町村あげて喜ばせる、寄付金を出したのと同様だ」
まさに釈尊の“和顔愛語(わげんあいご)」の布施行である。

・・・・・・・・ 高森顕徹「光に向かって100の花束」(1万年堂出版)より ・・・・・・・


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