大阪市内の我が家はいい風が吹いてますよ。
そもそも、コンクリート製の建築物は熱を吸収してしまうから、その熱が建物の中にも外にも赤外線やら遠赤外線として出ているはず・・・
加えてエアコンなどの室外機などが熱を吐き出しているんだから、人間が電気のスイッチを入れたところから、熱くなるようにできているのが今の都市のシステム。
少将暑くなってもエアコンで冷やせばいいという安易な考えがまかり通っていて、全く自然に逆行している。
自分で自分の首を絞めているとしか考えられない。
暑いんじゃなくて、自分たちが暑くしているんですよ、人間たちは。
■東京・大阪「猛暑」の正体 東京では「練馬に住んで湾岸で働く」のが最涼
(dot. - 07月30日 11:31)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=173&from=diary&id=4119249
夏になるとしきりに熱中症対策が叫ばれるようになったのは、いつごろからだろうか。もはや「こまめに水を飲む」「暑さを我慢しすぎない」は常識。対策も、限界にきている。
【東京・大阪「暑さ」の正体】
ビジネスパーソンの主戦場は大都市。その大都市の暑さが、ハンパじゃない。暑さを制するには、暑さの実態を知ることだ。「比較的涼しい場所」も見えてきた。
気象情報会社ウェザーニューズ社で「猛暑を災害として認識する」という意識が高まったのは、2010年のことだ。熱中症で亡くなった人の数が千人を超えたこの年の猛暑以降、熱中症の危険度を2段階にして「最大危険レベル」を設定し、注意を促すようになった。
ウェザー社の担当者は言う。
「雨と違い、猛暑の危険性は伝わりにくい」
特に、急に気温が高くなる梅雨明け前後の時期は、厳しい暑さの続く盛夏の猛暑日より「暑い」と強く感じる人が多い。単純な気温や湿度だけではなく、「人がどれほどの暑さを感じているか」という観点でもデータを集め、熱中症のアラームを出すように心がけているという。
実際、人に「暑さ」を感じさせるのは気温だけではない。いま、日本の都市は気温以上の暑さにさらされている。
●猛暑日が倍増している
気象庁によると、東京都心では10年から昨年までの6年間に、35度以上の猛暑日を合計で51日間観測している。04年から09年までの6年間では21日間だったので、倍以上に増えたことになる。この過酷な暑さをもたらしているのは、地球温暖化を上回るスピードで進むヒートアイランド現象だ。
「この100年で、東京は年間の平均気温が約3度上がっています。地球温暖化の影響は1度で、2度はヒートアイランド現象によるものとみられます」
そう話すのは、東京大学大気海洋研究所の木本昌秀教授だ。
都市の気温が周囲よりも高くなるヒートアイランド現象。主たる要因はエアコンや自動車、工場などによる「人工排熱」だと考えられている。だが、首都大学東京大学院都市環境科学研究科の高橋日出男教授はこう説明する。
「アスファルトの舗装やコンクリートの建築物の影響のほうが大きいと考えられるようになってきました」
●都心は湯たんぽ状態
緑や土に覆われた地面は熱くなると水分を蒸発させることで熱を奪い、地表の温度上昇を抑える。コンクリートやアスファルトで覆われるとその効果が失われ、熱くなった分だけ地表の温度が上がってしまう。
加えて、東京は空が狭い。高橋教授らが、建物などで遮られずに地面から空が見える割合、「天空率」を都内で調べたところ、特に日本橋から銀座にかけてのエリアに中・高層建築物が密集し、空が見えにくかった。こうしたエリアは、いくつもの湯たんぽに囲まれているようなものだと高橋教授は言う。
「コンクリートは日中に太陽からの日射を吸収して、熱をため込み、建物自体が湯たんぽのようになる。昼間だけではなく、夜もその蓄えた熱で空気を暖めます。さらに、たくさんの建物に囲まれた密集空間では熱が逃げにくくなり、いわば『保温』状態になってしまう。東京で熱帯夜が増えているのもその影響が大きいと考えられます」
東京に暑さから逃れられる場所はないのか。
少し古いが、興味深いデータがある。首都大学東京の三上岳彦名誉教授(気候学)らが夏場のヒートアイランドの実態を調べるために、04年7月8日の東京23区の気温分布の時間変化と風の状態を測ったものだ=チャート。
白い点線上が基準温度(23区の平均気温)で、最も濃いグレーのエリアが基準値より2度低く、最も濃い赤のエリアが2度高いことを示している。例えば、一番暑い午後3時の場合、東京湾に面した江東区や江戸川区などの沿岸部と練馬区や板橋区などの北西部では、4度近い気温差がある。
この気温差が海風の影響であることは容易に想像がつく。
「沿岸部の日中の気温が他のエリアと比べて低いのは、冷たい海風が暑い陸地に吹き込むから。さらに、海風は川に沿って入ってくるので、隅田川や荒川に沿って『風の道』ができる東京の東側は、昼間でも比較的過ごしやすい地域です」(三上さん)
逆に、東京湾から離れた練馬や板橋などの北西部は海風の恩恵を受けにくい。
「都心の風下にあたるため、立ち並ぶ高層建物が邪魔をして地上の風が弱い。ヒートアイランド現象で熱くなった都心の空気が、海からの南風で運ばれてきている可能性もあるかもしれません」(同)
興味深いのは、昼間に沿岸部の温度上昇を抑える海風が、夜間は逆の効果をもたらすことだ。夜間まで海からの南寄りの風が沿岸部で残り、放射冷却でより冷えた陸からの風がこのエリアまで届かない。
「夏の東京は、24時間熱を出し続けている都心エリアを中心に、海側と陸側は風の影響を受け、昼と夜で気温が大きく変わってきます」(同)
はやりの湾岸エリアに住むのではなく、例えば「練馬に住んで湾岸で働く」という選択が、暑さを避けるためには有効だということだ。
●大阪は風が吹かない
風は、大阪の夏を語るうえでも欠かせないキーワードだ。
「大阪の街を歩くと東京より風が弱いと思いませんか? だから暑く感じるのです」
と話すのは、大阪市立大学大学院工学研究科の鍋島美奈子准教授だ。鍋島准教授によれば、
「100年前も、大阪は東京より夏の平均気温が高かった。地形や地理的な要件が大きい」
一般に、風は海と陸の温度差で吹き、夏は、海から陸に吹き込んだ冷たい風が内陸で温められて上昇し、それが上空で冷やされて海へ……という「海陸風循環」が起きる。東京より平野が狭く、面している海も狭い大阪は、この循環の「駆動力」が小さい。
「風が弱いと、都市化によって増えた自動車やクーラーの排熱も拡散しにくくなります」
ここに都市ならではの環境が加わって、大阪はさらに暑くなっているのだ。
●放射で暑さを制御する
鍋島准教授は08年8月に、大阪ミナミの心斎橋から西側の木津川、道頓堀川で囲まれたエリアの気温を測定。海風の影響を調査した。
西側の海から風が吹くと、木津川が風の通り道となって涼しい空気が広がるが、東に進むにつれて効果は薄れ、1.5キロほど先の心斎橋付近には冷気は届いていない。
「長堀通りは東西に走る道路で日当たりがいいので、たとえ川から冷たい風が吹いても地表の熱で暖まってしまう。道路の熱気に排ガスが混じり、不快な熱風の道になってしまっています」
大阪の暑さを緩和する方法はないのか。
「気温ではなく、体感温度を下げる。気温以外の熱ストレスをコントロールするというのが、産官学民連携で大阪府が打ち出しているヒートアイランド対策です」(鍋島准教授)
熱ストレスは、「気温」「湿度」「風速」および、日射と物体が発する熱放射を加えた「放射」の4種類。意外とコントロールしやすいのが「放射」だ。
「あらゆる物体から熱放射があり、それは表面温度の4乗に比例する。木陰をつくれば、日射を遮るだけでなく、下から感じるむっとした熱も減少します」
鍋島准教授が、7月上旬の午後3時に木陰とアスファルトの道路で実測したところ、気温はほぼ変わらなかったが、地面からの熱放射の差は、1平方メートルあたり白熱球1個分くらいのエネルギーに相当した。街路樹や緑地の整備には、予想以上に効果がある。
「逃げ込めば涼しさを感じることができる屋外のクールスポットが点在する。大阪をそんな街にしたい」
大阪府と大阪市は、熱帯夜対策も進めている。大阪は夜も暑いのだが、建物の壁面や屋上の緑化などを進めて蓄熱を抑制することで、住宅地域で25年度までに熱帯夜の日数を00年比で3割減らすことを目標に掲げている。(編集部・鎌田倫子、山口亜祐子)
ログインしてコメントを確認・投稿する