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2016年06月15日22:56

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まだまだ現役! 陸自74式戦車 油圧式懸架装置や射撃統制装置など当時の技術力を惜しみなく投入した名戦車

 下記は、2016.6.15 付の産経ニュース【防衛最前線(74)】です。

                         記

 陸上自衛隊の「74式戦車」は、「61式戦車」に続く2代目の国産戦車だ。1960年代半ばから開発が始まり、74年に正式採用された。部隊や陸自ファンの間では「74(ナナヨン)」の愛称で呼ばれる。これまで800両以上を生産。すでに退役が始まり配備数は400両ほどになっているが、最新の「10式戦車」や「90式戦車」が登場した現在でも、陸自の主力戦車としての役割を果たしている。

 陸自が61式戦車の配備開始直後から74式の開発に着手したのは、東西冷戦のまっただ中だった当時の安全保障環境に対応するためだった。61式戦車の主砲は90ミリ砲だったが、当時の世界の戦車事情は、米国の「M60」や西ドイツの「レオパルト1」など105ミリ砲を積む戦車が標準となっていた。

 最大の脅威であるロシアに至っては、さらに強力な115ミリ砲を積む「T62戦車」の生産を61年から開始。日本の61式戦車の能力の見劣りは明らかで、ロシアの侵攻を防ぐためにも火力の強化は喫緊の課題となった。

 そのため、当時の日本の最新技術を盛り込み、諸外国の戦車と遜色のない性能を備えた戦車が完成した。世界標準の105ミリ砲を搭載。砲安定装置やレーザー測遠機、弾道計算機をセットにした射撃統制装置(FCS)により高い打撃力と砲撃命中率を実現した。さらに副武装として、74式車載7・62ミリ機関銃や12・7ミリ重機関銃M2も搭載した。

 武装の強化以上に特徴的なのが、車体の高さや傾きを変えられる「油圧式懸架装置」を導入したことだ。前後に各6度、左右に各9度まで車体を傾けさせることができ、車高を上下に各20センチまで調整することも可能。これにより、どんな地形の場所にいても砲塔を水平に保つことができ、高い命中率を確保できる。

 陸自幹部は「10式などの新型戦車に比べれば武装や走行性、防御力などでは劣るが、日本の複雑な地形に合わせた戦闘は74式戦車の方が得意だ」と指摘する。

 74式戦車は全長9・41メートル、全高2・25メートル、重量約38トン。最高速度は53キロで、乗員は車長、操縦手、砲手、装填手の4人。10式など最新戦車に備わったステルス性などはないが、その「戦車らしい外観」(陸自幹部)もあり、74式戦車の人気はいまも根強い。

 (政治部 石鍋圭)

 http://www.sankei.com/premium/news/160615/prm1606150004-n1.html
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