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2016年05月31日00:24

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皐月50句

皐月50句です。

戦争の天覆う絵や名画館
顔黒き野火の兵隊看板絵
伝え聞く茂林寺の狸汁
そのむかし広尾の原の狸そば
冴えわたる月夜心は冴えぬ闇
幟立つ夏の両国国技館
青山に嘶く軍馬像の跡
手を広げ走る海の子夏館
公苑の桜は薔薇科馬の駅
鷹狩の鯛の夕餉ぞ家康忌
石庭の白砂は波よ夏の少女
切絵貼り紅葉色々寂光院
鳥群の変わる形や青嵐
助六は実は時致虎が雨
俳人にありし番付夏の場所
秋の声移ろいやすくセーヌ川
山里の曾我の傘焼祭かな
白波に数の燈火輝り渡り
枯野原月消え伏せば闇の闇
狐火の狐出てこい焼き捨てる
花冷えの風に散りゆく花の雪
路なれば花に戯れ桜獅子
気が付けばどこから来たか老いの坂
大川に桜を浮かし花筏
花の命は短くてはかなきことのみ多きけれ
紀尾井町貴賤上下の隔てなく
舞い踊る色香を競う百千鳥
百千鳥春の小唄を唄うらん
花吹雪千代に八千代に八重さくら
清水坂坂が集まり谷となる
海ゆかば海のもくずと消えた人
白波の行き交う鴎鳴く千鳥
宮代は人皇御代の御宇かと
宮柱いく百歳か白波に
東なる眺めは尽きじ海原
海原の南は続く蒼海雲
行き通う千船百船薄霞
百船や春の曙富士の雪
うつせ貝もしや海松布を打つ波に
富士の雪いつか消えさむ忘れ貝
高輪に音締めも高き青簾
床船に馴れ浜千鳥一羽二羽
海鳥の六つ睦まじき竹芝に
月を愛で霜を重ねて打つ砧
砧打つ板屋を叩く玉霰
寒き音をささで慰む友千鳥
友千鳥夜半の漁火四つ手綱
年ごとに松の緑の生い茂り
四季の景弁財天女の御恵み
波の鼓に調べ整う一節は
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