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2016年05月26日22:18

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ノドンより中国のミサイル「東風21」が日本にとって脅威 「3本の矢」で迎撃強化可能

 下記は、2016.5.26 付の産経ニュースの記事です。

                      記

 オバマ米大統領が広島を訪問することになり、核軍縮や軍備管理に向けた機運が再び高まりつつある。しかし東アジアでは、北朝鮮が今年1月に4回目の核実験を強行したのに続き、弾道ミサイルを立て続けに発射するなど軍事的挑発を繰り返している。中国も核弾頭が搭載可能な中距離弾道ミサイル「東風(DF)21」を配備。日本がミサイル防衛を早期に強化することは、これまで以上に重要となっている。(水沼啓子)

 ■進化する中朝ミサイル

 北朝鮮が開発中の弾道ミサイルの中で、日本にとって直接の脅威となっているのがノドンだ。射程は約1300キロで、東京や各地の在日米軍基地、原子力発電所など、日本のほぼ全域を標的におさめる。

 北朝鮮は1980年代初頭にノドンの開発に着手。当初は北朝鮮南東部の発射場から日本海に向けて発射されていたが、2014年3月と今年3月の発射は移動式発射台(TEL)を使い、北朝鮮の西岸から行ったとされ、実用性能の向上をうかがわせる。

 実は日本にとり、北朝鮮のミサイルよりも現実的な脅威となっているのが中国の東風21だ。複数の専門家は、中国が「仮想敵」と見なすインドと日本に照準を合わせて東風21を配備済みとみられると指摘する。

 英国際戦略研究所(IISS)が世界の軍事情勢を分析した報告書「ミリタリー・バランス2015」によると、中国は東風21を116基保有。その中には1基に複数の核弾頭を搭載し、それぞれの核弾頭が別の攻撃目標に向かう多弾頭個別誘導式(MIRV)化されているものもある。

 ■2段構えで迎撃

 これらのミサイルに対抗するのが、弾道ミサイル防衛(BMD)システムだ。

 日本のBMDは、「2段構え」で迎撃するのが特徴だ。日本を狙ってノドンが発射された場合、発射の兆候を捉えた米国の衛星から早期警戒情報(SEW)がもたらされ、海上自衛隊のイージス艦や、地上配備レーダーがミサイルを追尾。日本への着弾が予測されれば、イージス艦に搭載された海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が大気圏外でミサイルを撃破する。仮に撃破し損ねた場合は、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が落下してくる弾頭を高度数十キロ上空で地上から迎撃し、着弾を阻止する。

 PAC3は現在、全国15カ所に配備。正確な保有数は非公開だが、発射機は数十基、ミサイルは数百発を保有しているとみられる。

 ■3本目の矢

 ただ、PAC3の射程は20キロ程度で、迎撃できるのは90度ほど扇形に広げた範囲に限定される。

 軍事ジャーナリストの恵谷治氏は「配備中のPAC3では日本全土を守りきれない。守ろうと思ったら全国数百カ所への配備が必要だ」と指摘し、「真に日本の国土防衛に資するのは高高度防衛ミサイル(THAAD)だ」と強調する。

 THAADとは、最高高度150キロで敵の弾道ミサイルを迎撃するもので、現在の「2段構え」のシステムに追加すれば迎撃態勢は一層強化される。中谷元・防衛相も昨年11月、THAADの自衛隊への導入を検討すると表明した。

 ただ、THAADの導入には膨大な費用が必要で、限られた防衛予算の中で調達費用をどう捻出するのかといった課題も残る。

 また、日本のBMDは敵のミサイル発射の兆候を確実に把握することが大前提だ。軍事アナリストの小都元氏によれば、「北朝鮮の弾道ミサイルは発射後、約7〜10分で日本本土に着弾する」とされ、イージス艦ならば兆候を捉えてから約5分以内に迎撃態勢に入らないと撃破できない。所在を知らなかったTELから突然発射された場合、迎撃は一層厳しくなる。

 ■敵基地に先制攻撃

 そのため、敵にミサイルを撃たれる前にその発射基地を無力化させる「敵基地攻撃」もかねて議論されてきた。敵基地攻撃は、自衛の範囲内として憲法解釈上も認められている。航空自衛隊のF15戦闘機と空中給油機、空中警戒管制機(AWACS)を使えば、日本が独力で攻撃するのも理論上は可能だ。

 ただ、小都氏は「日本では北朝鮮の防空能力が過小評価されている。北朝鮮が保有するSA2やSA5といったロシアの地対空ミサイルは侮れない。また北朝鮮には地下にミサイル基地が多数あるとされる。日本には地下基地をたたく能力はない。米軍の特殊貫通弾バンカーバスターや戦術核でしか破壊できないだろう」としている。

 http://www.sankei.com/world/news/160526/wor1605260038-n1.html
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